naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

今度は歯医者

先日来膝の治療で整形外科に通っているのに加えて、今日は会社の近くの歯医者に行った。

酔っ払って帰った時を除けば、一応毎日朝昼晩と歯を磨いているので、新たな虫歯ができることはないのだが、過去の治療で歯にかぶせた冠がとれてしまって、歯医者に行くことが何年かに1回くらいある。

歯というのは、一旦穴があいたら絶対もとには戻らないので、本当に後悔先に立たずだが、私の場合は若い頃に思慮がなかったせいで、上下の奥歯数本は穴だらけである。

それを冠(つめもの)で復旧してある訳だが、これが何かの拍子にはずれてしまう。
例えば森永のハイチュウみたいに、歯にくっつく食べ物は危ない。クチャクチャ噛んでいる内に、気がつくととれてしまった、なんてことを何度もやっている。
もう自分の人生において死ぬまでハイチュウは食べない、と決心したことさえある。

今回は、何のきっかけがあった訳ではないが、先週の土曜の夕食時、単にごはんを噛んでいただけなのに、左下の一番奥が、ポロッとはずれて口の中でガリッと言った。

ポッカリ開いた穴をそのままにしておく訳にもいかないので、何年ぶりだろうか、行きつけの歯医者に行った訳だ。
古くて狭い医者なのだが、ここは、老先生、若先生とも、何となくほんわかとしたムードを漂わせていて、歯医者に来た時の緊張感やこわさが基本的にあまりない。
癒し系(笑)なのだ。

はずれたものを見せて口の中を診てもらったら、冠をかぶせてあった下の部分の歯が少し欠けていて、そこが虫歯になっているという。
・・・ヤバい。
単にかぶせ直してもらったら済む訳ではないらしい。

「とれたものをそのままかぶせる訳にはいかないので、少し削って型をとりましょう」と若先生。

う、やっぱり削るのか・・・。

「このまま削ると痛いので、麻酔をしますね」

よかった。麻酔なしに削られてはたまらん。
麻酔注射を打ってもらう。

「ちょっと麻酔が効きにくいところなので、もう少し打ちますね」

・・・え?
効きにくい・・・(不安)。

2本目の注射。既に1本目が効いてきているので、刺しても痛くはないが、ずいぶん何度もあっちに刺し、こっちに刺して麻酔を注入。
こぼれた麻酔液が苦い。
しかし、効かないんじゃもっと困る。いっそ顔全体がマヒするくらい麻酔してもらわないと・・・(笑)。

そして。
いよいよ削り作業。

会社に入った頃、当時の課長が、「歯医者ってのは、医者というよりは職人だな。要するに左官屋だ」と言っていたのを今でもおぼえているが、正にそうだ。
やってくれてる歯科医の「技術」を問いたくなる。

しかし、何度歯医者に来ても、削られる時はどうしても構えてしまう。ついつい全身に力が入って脂汗がにじんでくる。

うぃぃーーーーーーーん(モーター音)。

・・・来た!

少しずつドリルが移動しながら削っていく。
痛いかな、痛いんだろうな・・・・ううううう。

あ、とりあえずそうでもない。

がりがりがりがり・・・。

ねえ、もうある程度削ったんじゃないの?
何か、もうそのへんで止めてほしい。痛くない今の内に。
今痛くなくても、あなたが今削っているその方向にもっと進んで行って、もっと深く掘られたら痛いところに当たってしまいそう。そろそろもういいんじゃないの?
とか言いたいが、口を開けているからそれができない(できても言えないけど)。

もういいでしょ、もう虫歯部分削り終わってなくなったよね、そうだよね、と言いたい。
でも自分で口の中を見ている訳ではないので、そんなのは勝手な希望だ。

そんなこんなで、いつもそうだが、歯を削られるのって、早くやめてほしいと思ってるから、ほんとに長く感じる。そうじゃありません?

モーター音止まる。ドリルが置かれる。

・・・ほっ。

「はいゆすいで下さい」
と言って、終わったかと思うと、
「じゃあ、もう少し削りますね」
と言う。

まだかよ、と思いつつ、こっちは身をまかせるしかない。
いくら他の歯より大きな奥歯とは言え、そんなにガリガリ削っていったら、その1本の歯、なくなっちゃうんじゃないの、と錯覚したりするが、もちろんそんなことはないのだろう。こっちが思っているより、ほんのちょっとしか削っていないんだろうな。

しかし、しばらく削られている内に、これだけ削られてもまだ痛くないから、麻酔が効いているんだろう、基本的に大丈夫そうだな、と少し余裕が生まれる。

加えて、ここの癒し系若先生は、患者をなだめすかしながらやっていくのがうまい。

「はい、あと少しですから我慢して下さいね」

と言って、一旦ゆすがせておいて、

「じゃあ、最後にちょっと磨かせてもらいますから」

とまた違うドリルで削ってゆすがせておいて、今度こそ終わるかと思ったら、

「まだやるのか、という感じでしょうが(これには笑いたくなった)、あとちょっとだけね」

と言ってまだ削る。

「はい、終わりです」と言われた時の嬉しさ。
ということで、今日のところは仮の材料で穴をふさいでもらって終了。

冠は1週間後にできるそうだが、あいにくその日は熊本出張。
次に来てやってもらうのは、3連休の週明けということになる。

それまでは仮の蓋がとれてしまわないように、ちょっと不自由だが、気をつけないと。
でも、過去の経験だと、こういうのって2、3日たたない内にとれてしまったりするんだよなあ。