naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

1月場所6日目

初めて中入り後の土俵に上がった栃煌山がすばらしい相撲。よく前に出て安壮富士を破り、5勝1敗。
この調子が続けば、来場所の新入幕も期待できる。

土佐ノ海玉乃島は、玉乃島が土俵際のつきおとしで、もつれた。
落ちるタイミングは微妙に見えたが、物言いつかず。
毎日こういう相撲があるが、審判部で、よほどのことでなければ物言いはつけないと申し合わせでもしているかと思いたくなる。

ただ一人全勝の玉春日は、垣添を一気に押して今日も快勝。
足の運びがよく、常に相手を正面に置いて相撲をとっているのが勝ちにつながっている。

豪風岩木山は攻防があるいい相撲だった。
押し切れずに一旦は四つに組まれた豪風だったが、よく動いて劣勢を挽回。今日の豪風はうまさを感じさせた。

好調の高見盛は、今日も春日王に立ち合いすぱっと二本入って、これは絶好の流れと思った矢先、春日王の右からの小手投げを食った。
春日王は、今場所差し手の返しに力を発揮している高見盛だけに、差されたらすぐ小手に振ることを考えていたかもしれない。
高見盛としては、惜しい星を落とした。

豊真将が、栃乃洋にいい相撲。
今日は守り中心の相撲でなく、栃乃洋に力の出る左を差されながら、右から強烈におっつけて出た。
力強い攻め。
栃乃洋が得意のつきおとしを見せたが、これも食わない足腰のよさも光った。

期待された安馬琴奨菊の一番は、安馬ががっかりする相撲。
安馬としては非常に珍しい立ち合いの変化。これで自ら上体を浮かせる格好になってしまった。
琴奨菊は自分の相撲。左を差せたことで、この差し手中心に体を寄せながらの寄り。
自分の相撲をとった琴奨菊と、策におぼれた安馬
本当に残念な相撲だ。まともにいってほしかった。

関脇同士、琴光喜雅山は、今場所の調子の差がそのまま出た一番。
今日も雅山は突いてでたものの、相手を突き放すだけの威力がない。
琴光喜は攻防の中ですぐ右前まわしに手がかかり、これを軸に動いて前に出た。
今日の琴光喜はあまりばたばたせず、右下手中心にしっかりしたいい攻めで、いい相撲だった。

白鵬露鵬は、相四つだけに、調子が上がらない白鵬も、さすがに立ち合い左前まわしに一瞬手がかかった。
しかし、露鵬がこれをふりほどき、今場所時たまみせる、敢えて得意の四つを捨てて左四つにいく作戦に出た。露鵬は先に上手をとり、互いに不充分な左四つの状態ながら、いい形になった。
今場所の白鵬は、稀勢の里戦がそうだったが、簡単に左四つになってしまう。自分の一番いい形に持ち込む、また、相手充分には決してならない、という厳しさが見えない。
ただ、今日については、そこからの立て直しが速かった。右をまきかえて二本。これで問題なし。
寄って詰める体勢がよかったのは、昨日と同じ。今場所初めての連勝で4勝2敗。少しずつ気持ちの余裕も出てくるといいが。

千代大海稀勢の里は、過去大関が5戦無敗と意外な対戦成績。
今日も千代大海が突いて押し込んだ。
どうも、稀勢の里千代大海のような突っ張りは嫌なようで、今日も受けにまわったままあっさり下がった。
しかし、赤房下で右上手に手がかかり、すかさず投げて大関に後ろを向かせた。
これで千代大海戦初勝利は堅いと思われたが、そのまま前に出ればよかったものを、魔がさしたか、はたきを見せたことで、勝機を逃した。
千代大海も一瞬ぐらついたものの、そこはさすがに序盤好調な大関だけに、はたきを食うまでにはいかず、よくついていった。
千代大海は、放送でも指摘されていたが、はたきにいくことなく、前に出たのが勝因。後ろを向かされても、はたかれても、あきらめなかったのがよかった。

魁皇時天空は、立ち合い時天空が突きにいったが、踏み込みは魁皇がよかった。
相手の土俵に二歩も三歩も踏み込んで、時天空を止めての相撲となったことで、まずは安心して見ることができた。
魁皇は右差しから二本差しをねらったようだが、途中で右を抜き、小手にまいてきめながら一気に前に出た。
力強さを見せた相撲。勝ち相撲は強い。

依然前途多難の栃東は、横綱を破った出島との対戦。
もしかしたら変化もあるのではないかと思っていたが、まともな立ち合い。
今日の栃東は右差しが速く、上手もすぐとった。
出島相手にとりあえず右四つに組み止めたことで、栃東としても少し余裕が出ただろう。
愚直にまともな攻めを試みるのは、毎日変わらない。
そうは言っても、やはり体重のある出島相手に前に出きれなかったが、出て決められないと見るや、傷めていない右足を軸にしての上手投げ。
これしかない、という気持ちが感じられる投げだった。
気力がうかがえる相撲だった。

琴欧洲は、安美錦にまあまあの相撲。
立ち合いからの攻めは安美錦が先手。右からおっつけて前に出た。しかし、相手が密着してきたことで、琴欧洲の長身が今日も生き、上からとるような形で左上手をがっちり。
右四つに組み止めたことで、とりあえずは安心。後は、琴欧洲としてはあわてずに落ち着いてとれれば、と見ていたが、今日の琴欧洲は投げにこだわることなく、左上手を引きつけて前に出た。こまたをすくって相手を崩した流れもよかった。

大関が全員勝った。
5人とも星数は物足りないものの、今日は、ほんの僅かではあるが、皆相撲を取り戻してきたと感じられた。
この立ち直りを、もっと確かなものにしてもらえれば、優勝争いも面白くなるかもしれない、そんな期待をちょっとだけ持たせてくれる、今日の5大関だった。

しかし、結びの横綱は1ランクも2ランクも違う相撲。
今日の朝青龍は、スピードとうまさ。旭天鵬に何もさせなかった。
横綱の方が立ち合いの当たりも低かったし、旭天鵬が左差しにくるところを、右から強烈に殺しながら出たと思ったら、もう土俵際。旭天鵬は両まわしともとれないままに下がり、こまたすくいに横転。
旭天鵬には申し訳ないが、転がされるために土俵に上がった、という感のある一方的な相撲だった。

玉春日が一応トップを走っているとはいえ、この差は実質的にはないも同然。
大関が誰かついていってくれないと、結局はまた横綱ということになりそうだ。