naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

ご近所アンサンブル月例練習~質より量、鬼の弦楽四重奏練

今日21日(土)は、脳ドックから帰宅して、チキン弁当を食べ、落ち着く間もなくマンションの集会室へ。

月例、ご近所アンサンブルの練習のためだ。

今日は、ヴィオラのTさんが都合で欠席のため、弦楽四重奏編成でのアンサンブルとなった。

まず最初は、我々の場合恒例となっている、ヘンデルの合奏協奏曲で指慣らし。
作品6の2 ヘ長調
作品6の3 ホ短調
の2曲を合わせる。両方とも以前合わせたことがある曲だ。

その後、今日はモーツァルトをやろうという話になって、ファーストヴァイオリンのHoさんが持ってこられた楽譜で、まず、
「狩」
を全曲。

「狩」は、もちろん聴いたことはあるし、確か私が生まれて初めて弦楽四重奏というものを生で聴いた演奏会(木更津でだった)のプログラムにあったんだったと思う。
しかし、弾くのはこれが初めてだ。
第3楽章に、チェロの美しいソロがある。チェロのIさんが、「この部分の楽譜には、espressivoと書いてあるけど、モーツァルトには珍しい」とおっしゃる。モーツァルト本人にも特別な思いがあったのだろうか。

次に、
「不協和音」
を全曲。
これは、もう8年くらい前になるが、浦安オケのメンバーで常設の弦楽四重奏団を組んでいたことがあり、その時のレパートリーだった。
泊まりがけの合宿をして、みっちり練習したこともあった。ということで、これは結構余裕をもって弾けた。

それにしても、モーツァルトの代表作である、「ハイドンセット」から2曲を弾くと、ヴィオラのパートに、弾いていて本当にこたえられない音ばかりが書いてあると、改めて思う。
ブラームスもそうだが、ヴィオラの一番いい音がする音符だらけだ。
それと、4人のアンサンブルの中でのヴィオラの役割というものが、やり甲斐のある形で書かれているともつくづく感じる。
いや、たぶん、これは、ファーストもセカンドも、チェロも、それぞれに同じことを感じるような音楽になっているのだろう。モーツァルトの天才たるゆえんだ。

モーツァルトの3曲目として、
K575、ニ長調の四重奏曲
を全曲。
1楽章だけは、確か以前このアンサンブルで合わせたことがあったが、2楽章以下は初めてだと思う。
この曲を弾いたのは、個人的にはとても収穫だった。
というのは、ハイドンセットの2曲と全然違うのだ。
ハイドンに献呈するということで、相当気合いを入れて書いたはずの6曲。
その後に位置するこの四重奏曲は、ずいぶん違う。弾いていて感じたのは、「肩の力が抜けている」ということだ。音楽の密度が薄いということではないのだが、「不協和音」のような、あまりに完璧で息がつまるような音楽ではない。もっと、何というのか、弦楽四重奏として「自由に書かれた音楽」という感じがする。
それを体感できたのは今日の収穫。
ヴィオラも結構メロディを受け持たされることが多かったりする。ヴィオラの役割が、ハイドンセットとはちょっと違う。つまり、弦楽四重奏としての構築の仕方そのものがまったく違うのだ。
このK575はとても楽しかった。

さて、まだ時間があるので、前回途中で時間切れになった、
ベートーヴェン「ラズモフスキー」の3番
をやることになる。
ベートーヴェンでは、ヴァイオリンがファースト、セカンド、交代してやってみることにした。いつもセカンドのHiさんが珍しくファーストへ。
2楽章から。
楽譜を一見した印象として、「音符が多い」。
モーツァルトの四重奏も、結構音は多いのだが、何か見た感じの印象がそれと違った意味で、音符が多いように感じる。
やっぱり、モーツァルトととはずいぶん違う種類の音楽だと感じる。
3楽章は、何かつかみどころがなくて弾いててよくわからなかった。
4楽章は、例のフーガ。冒頭部分はヴィオラがしばらく一人で細かい音符を弾くが、何せ初見なので少なからずでたらめ(笑)。しかしこの楽章、作りは単純なので、思ったよりはちゃんと通った。もちろん何度か止まったが。
初期の6曲、作品18に比べると、アマチュアが手を出すには非常に難物という感じがするが、しばらくこの曲、やってみようという大胆な意見も出た。

この楽譜、ラズモフスキーの3曲の後に、「ハープ」と「セリオーソ」も入った、中期の作品集だ。
ちょっとだけ時間が残っていたので、「ハープ」の1楽章の最初の方だけ合わせてみた。
これも大変で、このあたりが我々としては限界点かな、という感じ。
時間切れとなったが、次回の練習では、「ハープ」の続きも合わせようという話になった。

ということで、14時から19時まで5時間、質より量をこなす、鬼のような弦楽四重奏練だった。
弾き散らかしただけの練習だが、さすがにこれだけ弾くと、いささか疲れた。

次回は、ベートーヴェン中心になりそうだ。

集会室では、19時からは来週末の盆踊りの練習が行われるらしく、顔見知りの人たちが、入れ替わりに入っていった。