月2回出る、集英社の「YOU」を毎号買っている。
妻が読むからで、ついでに私も、全部の作品ではないが、読んでいる。
島津郷子の「ナース・ステーション」は、好きな作品の一つだったが、主人公、中山桂子の恋人のカメラマンが、一緒に行った旅行先で病死したところで終わったように記憶していた。
最新号の別冊付録として、「ナース・ステーション大特集」というのがついていた。
久しぶりで懐かしいなと思って読んでいたら、思いがけないことが載っていた。
久しぶりというのも、そのはずで、島津郷子さんは、パーキンソン病と闘っておられたのだった。
この別冊には、01年に体の異変に気づいてからの闘病の手記が掲載されている。
大変な苦しい思いをされた末、昨年の10月に、脳に電極を埋め込む手術に踏み切ったとのこと。
大変な苦しい思いをされた末、昨年の10月に、脳に電極を埋め込む手術に踏み切ったとのこと。
そして、再びペンを執って、7年ぶりの新作を描きおろし、それがこの別冊に収録されている。
中山桂子が中心でなく、同僚の千堂の物語だが、タイトルが「お帰りなさい」。
作者が、この言葉に込めた思いがひしひしと感じられる。
重い病気を抱えている中で描かれたのに、絵も、そして、ちょっと泣かせるストーリーもかつてのままなのに驚いた。
「ナース・ステーション」は、未完のままだったのだそうだ。一応は区切りがついて終わったものと思っていたが、私の記憶違いだったらしい。
体調と相談しつつ、続きを描いていきたい、との作者の言葉が書かれていた。
手術の効果が出て、健康を取り戻され、健筆をふるわれる日が来ることを祈りたい。