父の誕生日に～木更津｢弁天堂｣のきみしぐれ

今日11日(木)は、父の誕生日なので、木更津に帰った。

父のところへ持っていったのが、｢弁天堂｣のきみしぐれ。

弁天堂は、我が家御用達(笑)の和菓子店だった。

木更津駅西口、八幡神社の近くに、｢弁天様｣と呼ばれる小さな神社がある。
(今、木更津市のサイトを見たら、正式には、あの広島の神社と同じく｢厳島神社｣と称するのだそうだ。初めて知った)

その、弁天様の向かい側に、弁天堂はあった。
間口が一間ほどの小さな店だったが、ガラスのショーケースの中に、色とりどりの和菓子が並んでいた。何種類もの飴も売っていた。

私が子供の頃から、おやつの時には、弁天堂のお菓子がよく出た。

この店の和菓子は、どれも大変おいしかったが、何と言っても、きみしぐれ。美しい黄色が目に楽しく、控えめで上品な甘さは、よその和菓子屋のきみしぐれにはないものだった。

我が家にとっては、｢弁天堂のきみしぐれ｣は、特別な地位にあり、私が家を離れてからも、帰省すれば、父が買ってきて、帰る時に持たせてくれたものだ。

さて、ここまで、｢だった｣｢あった｣などと過去形で書いてきたが、今は、その弁天堂はなくなってしまったのだ。

06年の７月、父が、そのきみしぐれを買いに行ったら、店が閉まっていた、という話を聞いた。
翌月、お盆の帰省の時に自分でも見に行った。確かに閉まっていた。閉店とか移転とかの貼り紙もなかった。

mixiに木更津市のコミュニティがあるので、そこに｢弁天堂の消息をご存知ではありませんか｣というトピックを立てた。

　　｢八幡神社前の通り、新田方向にカーブするところにあった｢弁天堂｣(和菓子屋)が営業をやめて
　　 しまったようです。

子供の頃から半世紀近く、この店の｢きみしぐれ｣を食べ続けてきた私には大変残念です。
閉店もしくは移転を知らせる貼り紙もないのですが、どなたか、消息をご存知ありませんか？｣

そうしたら、何人かの方から書き込みをいただき、祇園と巌根に店があるという情報を得た。

どちらも、帰省の時の行動範囲外なので、その後、行く機会がなかったのだが、今日は、父の誕生日ということもあり、祇園の方の店をさがしさがし行ってみた。

ありました、ありました。

たぶん４年ぶりに目にする、弁天堂のきみしぐれ。感無量の嬉しさ。
同じく弁天堂の名物である、｢月ヶ瀬｣も買った。
包装紙も懐かしかった・・・。

今度機会があったら、巌根の方の店にも行ってみようと思う。

ところで、今日誕生日の父は、大正15年(1926年)生まれで、満84歳になった。

母には先立たれたが、あと４年、米寿まではがんばってもらいたいものだ。