naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

怪文書~「復讐代行業者」から

会社から帰宅して、郵便受けを開けたら、差出人の名前がない白い封書。

何だろう?

開けて爆発するなんてことはないだろうな、と思いつつ、表書きの筆跡に見覚えがあるような気もして(結果的には違ったんだけど)、開けてみた。

B5サイズのワープロ文書が1枚。

「突然のご連絡大変恐縮です」と書き始められ、以下の内容だった。

・「復讐代行業者」の担当の者である。
・あなたに対して、あるお客様から「復讐依頼」があり、当社が請け負うことになった。
・今後、あなたの身辺調査を行い、依頼を実行に移すのでお伝えする。
・調査期間 平成23年12月1日~8日
・実行期間 平成23年12月10日~ ←ここだけ赤い文字
・ご相談、ご質問は実行期間の2日前までお受けする。

文末に、復讐代行業者の住所、社名。そして、携帯電話の番号と、担当の名前(姓のみ)。

何だ~?

復讐、なんて言葉に、実生活で直面するとは思わなかったのでびっくりした。

まあ、これまでの人生で、人に恨まれたり嫌われたりすることはあったかもしれないにせよ、復讐されなければならないほどのことをしたおぼえはない。

復讐、って具体的には何? 殺します、ってことかな。刺されるとか。

身に覚えがないのだから、もちろん無視するつもり、でもちょっと気になるので、ネットで調べてみた。

Yahoo知恵袋によると、どうやらこれは詐欺の手口のようだ。

その電話番号に連絡すると、復讐の依頼を取り下げてもらいますから、いくらいくら振り込んで下さい、となるらしい。

知恵袋の回答者いわく、実際復讐をするとなると、何らかの犯罪行為をその業者が行うわけだが、犯罪を犯そうという者が、連絡先を明らかにして書面を送ってくるはずがない、と。
そもそも、請け負った復讐を成功させようと思えば、本人に事前告知せずに実行するはずで、犯罪実行前に証拠品を送りつけるアホはいない、とも。

無視するに限る、連絡してはいけないと書かれていた。

まあ、そうだよね。

復讐代行業者、と名乗った時点でまっとうな会社ではないし、送られてきた書面をよくよく眺めれば、おかしなところはいくつもある。

差出人を封筒に表示しないこと。今どきB5サイズ。「代表者印」という職印が朱肉で捺してあるものの、とってつけたような場所で、ビジネス文書における「記名押印」の「記名」(代表者名)がない。担当者の名前しか書かれておらず、しかもフルネームではない。業者なのに、携帯電話番号しか表示していない。よく電柱に貼られている風俗の広告を想起させる。

文章はある意味巧妙で、「この復讐をやめさせたかったら、調査期間中に連絡をくれ」とは書いていない。「ご相談、ご質問は実行期間の2日前までお受け致します」「実行期間内のご相談、ご質問には一切お答え出来ませんのでご注意下さい」と書いてあるだけだ。

連絡をよこすように求めたりすると、それは詐欺あるいは脅迫のような犯意をうかがわせる形になるとも言えるから、あくまで、受信者側が自発的に連絡してきた格好にしたい?

また、実行期間に入ると答えられない、というのは、期限のプレッシャーを受信者に与える効果をねらったものかと思う。

警察関係者の知り合いはいるので、一応、相談はしてみることにするが、おそらく放っておけと言われるだろうな。

とにかく、仕事から帰ってきて、こんなもの読まされるってのは、ほんとに気分が悪いね。
中には恐怖におびえる人もいるんだろうな。だから詐欺が成立するんだろうけど。