

日 時 2019年2月8日(金) 18:30開場 19:00開演
会 場 紀尾井ホール
指揮・ヴァイオリン ライナー・ホーネック
管弦楽 紀尾井ホール室内管弦楽団
曲 目 クープラン パルナッソス山もしくはコレッリ讃
J.S.バッハ ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調
ヴォーン=ウィリアムズ トマス・タリスの主題による幻想曲
武満 徹 弦楽のためのレクイエム
ストラヴィンスキー ミューズを率いるアポロ
会 場 紀尾井ホール
指揮・ヴァイオリン ライナー・ホーネック
管弦楽 紀尾井ホール室内管弦楽団
曲 目 クープラン パルナッソス山もしくはコレッリ讃
J.S.バッハ ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調
ヴォーン=ウィリアムズ トマス・タリスの主題による幻想曲
武満 徹 弦楽のためのレクイエム
ストラヴィンスキー ミューズを率いるアポロ
弦楽合奏曲ばかりのプログラムである。
私の席は、2階C3列4番。
11日(月)には、ここでマウントあさま管弦楽団の本番が行われる。3日後に弾くステージを、2階席から見下ろした。

この演奏会に足を運んだのは、何と言ってもヴォーン=ウィリアムズのタリス幻想曲が実演で聴けるからだ。古くから愛聴してきたこの曲を、実演で聴けるチャンスはめったにない。この曲1曲のためにチケットを買ったと言っても過言ではない。
19:04頃、1階の最前列、8番の席に、あちこちの演奏会で、開演後に入場して演奏中でも構わず席につくと、一部で話題の「サスペンダーおじさん」(らしき人)が座った。この演奏会では、彼が座った時点では、まだ楽員が入場している最中だったので、実害はなし。
ホール側が、気を遣ったのかもしれない。
たぶん初めて聴く曲だが、いい曲だと思った。
かちっとしたアンサンブルでなく、時々緩さも感じさせる演奏。流行りのアグレッシブな感じのバロック演奏ではない。それが心地よかった。
今回の5曲、編成がすべて異なるので、曲が終わると楽員は一度舞台からはける。
バッハは、6・6・4・3・2。
これもヴァイオリンは対向配置で、ヴィオラが下手側、上手に低音をまとめる形。
クープランの後に聴くと、バッハの音楽にはやっぱり違うものがあると感じる。品格の高さと言うのだろうか。
2楽章など、聴いていて背筋を伸ばさずにいられない、そんな音楽だった。
ここで、ハープシコードは舞台から撤収。
さて、お目当てのヴォーン=ウィリアムズである。
各パートのトップがカルテットソロとして動く場面もあり、これを含めて3群からなる音楽である。
初めて実演にふれて、レコードではわからないものを、実際に目と耳で確かめられたのは、本当に収穫だった。
3群の弦が、自在に組み合わさりながら進行する音楽の、何と味わい深いことだろう。
同じ作曲家の「揚げひばり」、あるいはエルガーの弦楽セレナーデの2楽章を思い出させる、代え難い滋味。
この曲、ヴィオラの役目が大きいと思った。
来てよかった。
20分間の休憩の後は、武満徹。
ヴィオラ外配置の、9・8・7・6・3。
時に、R.シュトラウスを思い出させる響きもあり、愉しさもある。
機会があれば、弾いてみたいと思いながら聴いた。
アンコールに、何か短い弦楽合奏曲でもやるかなと思ったが、それはなく、21:10終演。
いい演奏会だった。