11日(木)、休暇を取って明治座に出かけた。
日 時 2021年3月11日(木) 10:00開場 11:00開演
会 場 明治座
出 演 坂本冬美 泉ピン子 三田村邦彦 京野ことみ 丹羽貞仁 森山愛子 他
第2部 坂本冬美オンステージ2021 艶歌の桜道(うたのはなみち)
以前から、坂本冬美の実演を一度聴いてみたいと思っていた。
ローチケなどにお気に入りアーティスト登録しているので、コンサートや新譜の案内がメールで届く。
そうしたメールで明治座での公演情報を知り、妻も行ってみたいというので、明治座のサイトからチケットを買い求めた。昼間の公演で、弁当付きのセットプランにした。
明治座に入るのは初めてだ。
建物の右手にお稲荷さんがある。
入場。
着席前にプログラムを買い求める。それ以外の坂本冬美のグッズはCDのみ。ちょっと意外だった。
プログラム冊子の表紙。
我々の席は、1階席正面4列13番、14番。下手側で舞台には相当近い。
定員の50%までの入場としているらしいが、席の間引きはなく、最前列まで座らせていた。それでも歌手や役者の飛沫のリスクはないということだろうか。
2部構成で、前半がお芝居、後半が歌謡ショー。よくある構成だ。
第1部「かたき同志」。
坂本冬美が呉服問屋の内儀で京野ことみ演ずる娘と2人暮らし。泉ピン子は飲み屋の女将で丹羽貞仁演ずる息子と2人暮らし。若い2人は恋仲で、2人の結婚話をめぐる人情話だった。
橋田壽賀子脚本、石井ふく子演出という黄金コンビ。加えて泉ピン子である。「渡る世間は鬼ばかり」トリオ。
舞台の演劇にはほどんど接したことがないが、楽しく観た。泉ピン子の芝居はさすがと思った。
12:15頃、第1部終了。40分間の休憩となった。40分で弁当を食べて座らなければならないとは、なかなか慌ただしい感じがある。
1つ上の階の藤の間という食堂へ。
長テーブルがずらりと並んでいる。テーブルの上には、対面して座る者同士を遮る形で長いアクリル板が置かれている。
これが文字通りの幕の内弁当。
トイレに寄っている内に1ベルが鳴り、席に急いだ。
12:55、第2部開演。
第2部「坂本冬美オンステージ2021 艶歌の桜道」
セットリスト。
あばれ太鼓
(MC)
祝い酒
俺でいいのか
男の火祭り
会津追分
(MC)
伊吹おろし
(MC)
誕生
(MC) 泉ピン子
ブッダのように私は死んだ
火の国の女
(MC)
前半は男歌、後半が女歌で構成。間に後輩という森山愛子の歌がはさまった。失礼ながら森山愛子という人は知らなかった。
後半に歌われた「誕生」という歌は、中島みゆきの作品で、近くリリースされるカバーアルバムに収録されるとのこと。
その後、坂本冬美の衣装替え退場の間に泉ピン子が登場、漫談のようなMCの後、次の「ブッダ・・・」の曲紹介をした。自らは歌わず。
初めて観る実演の坂本冬美は、圧倒的なものだった。
彼女の歌を聴く機会と言うと、紅白歌合戦などの歌番組。聴けてせいぜい1曲、2曲だ。その他はCD。
しかし、生で聴くと、テレビでは見えない、伝わってこないものがたくさんあることを痛感する。
坂本冬美のホームグラウンドと言うべき、生のステージ。彼女は普段こういうところでこういうパフォーマンスをしているのだ、と思った。
MC、客席とのやりとり。美しい所作。
一言で言えば、ステージマナーの見事さ。
そしてもちろん何と言っても歌のすごさ。テレビや録音と実演では、格段の違いがあると思わされた。大変な説得力だった。
生の演奏会場には、視覚聴覚両面で圧倒的な情報量があり、そこにいなければわからないものがあることは、クラシック、ポップス、長年の鑑賞歴でもちろん知っているつもりだが、改めてそれを痛感した。
「初めての生の坂本冬美」にうならされたのは、これも言うまでもないが、彼女の力量が並外れているからだろう。
数多い女性演歌歌手の中で、私が彼女の歌に惹かれるのは、力強さと繊細さのバランスがちょうど良く感じられるからだ。
(私の好みからすると、例えば石川さゆりはやや線が細く、天童よしみはパワフル過ぎる気がする。いずれも実演を経験していない中での感想だが)
そのバランスのすばらしさを、実演でとことん味わうことができた。
最初の「あばれ太鼓」から最後まで、本当に感動した。涙が出そうだった。これほどの感動を得られるとは思っていなかった。来てよかったと思った。
バンドの演奏もよかった。
妻は、「これは芸術だ」と言っていた。また、女優としての坂本冬美の演技もすばらしかったとのこと。
アンコールはなし。そういうものなのだろう。
今回の公演の構成では、歌の数がやや物足りない。こうなると、フルのコンサートを近い内に是非聴いてみたくなる。
終演後は規制退場。
ステージに残る紙吹雪。
いずれコンサートがあれば必ず行きたい。
※明治座のWebサイトから本公演のページ
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