1日(日)、ホクト文化ホールで行われたイリーナ・メジューエワのリサイタルを聴いた。
長野駅到着後、少し時間があったので善光寺を駆け足参拝してからホールに向かった。
ホクト文化ホールは初めてである。
着いてすぐ思ったのは、ホールまわりの雰囲気、たたずまいが、松本市音楽文化ホールによく似ているということだ。これは妻も同意見。やはり信州共通の空気なのだろうか。
●イリーナ・メジューエワ ピアノリサイタル
日 時 2023年10月1日(日) 13:30開場 14:00開演
会 場 ホクト文化ホール 中ホール
ピアノ イリーナ・メジューエワ
ショパン 別れの曲
メジューエワの演奏会を聴くのは、5月のサラマンカホール(岐阜)以来。オール・ショパン・プログラムで、3番のバラードはその時も弾かれた。
プログラム冊子から。
使用ピアノは、1925年製ニューヨーク・スタインウェイ ヴィンテージピアノ。
5月の岐阜でもこのピアノだった。
↑ ホワイエのモニター映像
この中ホールは984席。
我々の席は、1階1列16番・18番。番号が飛んでいるが、この日は客席を1つ置きに使う形(コロナ禍の時によくあった)だった。
最前列下手寄りで、私が座った18番は、メジューエワを真横から見る位置だった。
メジューエワの演奏会ではいつものことで、楽譜を持って袖から登場し、譜めくりがつく。演奏に際しては舞台上もピアノまわりのみ残して照明が落ちる。
前半のベートーヴェンでは、7番の2楽章の緊張した空気が特に印象に残った。
また31番の終楽章は、音楽のひとしずくも漏らさない、といった感じの演奏だった。
ピアニストの演奏をこれだけ間近に見ながら聴く機会はめったにない。
楽譜を見つめる目の鋭さ、演奏への没入ぶりなどがよくわかった。
左手の打鍵の力強さにも感じ入った。
毎回感じることだが、この人の音は華美なところはまったくなく、地味過ぎることもない。誠にほどよいつやと潤いがある。
聴いていて一緒に呼吸をさせられるところがある。
ベートーヴェンのソナタは、日頃シンフォニーや弦楽四重奏ほどには聴いていないが、いずれ手元にある解説書も参照しながら、集中して全曲を勉強してみたいと思う。
メジューエワその人のソナタ全集も出ているんだよな。買いたいな。
後半はショパンのバラード全曲。
バラードは1番が好きでよく聴くが、他の3曲はよく知らない。実演で4曲を立て続けい聴く貴重な機会になった。
今回弾かれた4曲、どれも非常に劇的な演奏。ベートーヴェンよりもずっと劇的だった。そういう曲種なのだろうか、と思いながら聴いた。
カーテンコールの後のアンコール、冒頭、日本語で短いMCがあって、嬰ハ短調のワルツ。さらに「別れの曲」が演奏された。いずれも明晰な演奏だった。
最後に、ピアノの方を指して、ピアノへの拍手を促すような動作があった。
来年10月に、同じこのホールでリサイタルが行われることになったようだ。
曲目によっては来てみたい。