14日(土)、J:COM浦安音楽ホールで行われた仲道郁代さんのリサイタルを聴いて来た。
●仲道郁代 ピアノ・リサイタル
日 時 2022年5月14日(土) 13:30開場 14:00開演
会 場 J:COM浦安音楽ホール コンサートホール
ピアノ 仲道郁代
曲 目 ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第17番ニ短調「テンペスト」
リスト 巡礼の年第2年「イタリア」 「ダンテを読んで-ソナタ風幻想曲」
ショパン アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ変ホ長調
[アンコール] ショパン ノクターン第20番嬰ハ短調(遺作)
J:COM浦安音楽ホールの開館5周年記念公演である。
このホールには、ヤマハとスタインウェイ、ピアノが2台あるが、そのピアノを選んだのが仲道さんだった。そして、ホールがオープンしての「ピアノ開き」コンサートも仲道さんだった。
このホールのバックステージツアーに参加したことがあり、その時にピアノの保管庫も見せてもらった。
我々の席は1階D列2番・3番。下手端の方で、仲道さんを背中から見る形だった。
今回使われたピアノはヤマハだった。
開演直前、舞台下手側の2階席からプログラム冊子をステージ上に落とした人がいた。どうするんだろうと思ったら、ホールスタッフが1階客席側からステージに歩み寄って持ち去った。
ステージに現れた仲道さん、ハンドマイクを持ってお話を始めた。以後も最後まで、曲間にMCがあり、曲の背景などについて話された。
フライヤーでもプログラム冊子でも、最初が「月光」、次に「テンペスト」と書かれていたが、これが入れ替えて演奏された。何か考えがあってのことのようだった。
「テンペスト」は、このホールで2020年2月に行われたイリーナ・メジューエワのリサイタルでも聴いている(そのリサイタルでは、ショパンの幻想即興曲と、遺作のノクターンも弾かれた)。
仲道さんの「テンペスト」は、じっくりしたテンポで重厚な音だった。
「月光」は、改めてよくできた曲だとつくづく思った。
ベートーヴェン2曲、左手の力強さが印象に残った。
続くリストは知らない曲だ。大体リストのピアノ曲は日頃あまり聴かない。ソナタとコンチェルトくらいだ。
初めて聴くこの曲は、バリバリマッチョな音楽という印象。途中一転して、ひんやりとした叙情的な部分になってきれいだった。
後半はショパンの名曲が並んだ。
エチュード2曲は続けて演奏された。
前半に比べて、後半のショパンでは繊細さが加わったように感じた。
バラードの1番はやっぱりいい曲だ。ショパンのピアノ曲の中では特に好きな曲だが、申し分のない運びで聴かせてもらえた。
本編最後のポロネーズは力演だった。しかし長い曲だ。演奏者にとっても大変ではないだろうか。
アンコールとして、まず遺作のノクターンが演奏された。これほどもの悲しい音楽があるだろうか、と痛切に思った。泣けた。
そして最後に「トロイメライ」。この曲を聴くといつも思うが、同じメロディを何度も繰り返しているようで、そのたびに違う。シューマンってすごいなあと思う。1つ前のノクターンとは違った意味で泣ける音楽だ。
3曲配置された嬰ハ短調が全体を通してふりかえると印象に残った。意図的な選曲だっただろうか。
はさみこまれていたチラシによると、仲道さんは、2018年から2027年までの10年間、春と秋に各回違うテーマでのリサイタルを開催している。これは知らなかった。
近いところでは、今月29日(日)に、今日演奏された「テンペスト」、バラード、リストと、「展覧会の絵」をサントリーホールで演奏する。
秋以降も興味深い曲目が並んでいる。どれか選んで行ってみたいものだ。
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