新浦安から東京、銀座の今日の行程、あれこれレコードを聴きながら歩いた。
小田和正「そうかな」「個人主義」、平原綾香「From To」、そして、この坂本冬美「ヒットカバー名曲集」である。
今活躍している女性の演歌歌手の中では、私は断然坂本冬美が好きだ。
顔が好みだということもあるが、とりあえずそれは置く。
美空ひばり、都はるみというこの世界の巨星に次ぐ世代の歌手としては、以前は石川さゆりが好きだった。
もちろん今でも好きだし、「津軽海峡冬景色」「天城越え」はカラオケで歌う場合のレパートリーでもある。
しかし、石川さゆりは、惜しいかなちょっと線が細い。
もちろんその上品さが彼女の歌の魅力だとも言える。あくまで私の好みとしてだ。
そこへ登場したのが坂本冬美だった。
彼女の何よりの美点は、声の美しさだ。
石川さゆりに足りないパンチ、パワーを持っていて、なおかつしっとりとした潤いがある。
パワーとしっとり加減のバランスがたまらない。
どんな歌を歌っても、最初の歌い出しで、聴き手の耳を傾けさせる強さと魅力が、彼女の声にはある。
歌が上手い女性演歌歌手は多いが、私の好みからすると、この点で、坂本冬美は卓絶している。
天童よしみ、長山洋子も、そうした意味の魅力に劣るところはないと思うが、容姿も含めての個人的な好みからは、断然坂本冬美だ。
いわゆる全曲集は何枚か持っている。
最近、この「ヒットカバー全曲集」を、山野楽器本店の店頭で見つけて買った。
「命くれない」「兄弟船」「雪椿」「北の宿から」「津軽海峡冬景色」「舟唄」など、演歌のスタンダードを16曲、カバーしている。
坂本冬美の、演歌ヴォーカリストとしての真髄が聴ける、私にとってはたまらない1枚だ。
実演にはまだふれたことがないのだが、近い内に行ってみたいと思っている。
とりあえずは、大晦日の紅白歌合戦で、彼女の歌を楽しみたい。