naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

優先席付近では電源をお切り下さい

これはだいぶ前の話だが、京葉線に乗って帰宅する際、優先席に座った時のこと。
3人がけのシートで、こちらも向かい側も優先席、計6席が優先席という状況であった。

まあ、周囲に席を譲るべき人も見当たらなかったので座らせてもらっていた。

しばらくして社内アナウンスが耳に入ってきた。
「携帯電話はマナーモードにして、車内での通話はご遠慮下さい。優先席付近では電源をお切り下さい」
その時、私は携帯電話を出して、メールをしていた。

そのアナウンスにはっとして、顔を上げたら、こちらと向かい側、計6席の優先席に座っている全員が、ケータイを手にして、親指で入力中だった(笑)。

はっと顔を上げたものの、あ、みんなやってるんだったらいいよね、と安心し、アナウンスとはまったくちぐはぐな「優先席の状況」が、妙に可笑しかったものだ。




しかし、今どきは、電車に乗って見ていると、半数かそれ以上の人が手に携帯電話を持って、ボタンを押している。
こんな光景はごくごく最近のことだ。
15年前の自分が、今この場にタイムスリップしてきたら、「こいつらは一体何をしておるのか??」と、おそらく理解不能であろう。いくら想像力を働かせても、正解にはたどりつけないだろうと思う。

携帯電話が世に出てからに限定しても、その使われ方は短期間に激変している。
通話オンリーだったものが、メールの道具になり、ネット端末となり、カメラになった。

電車でのアナウンスも、当初「車内でのご使用はお控え下さい(新幹線だと「デッキでご使用下さい」)」だった。
それが、その内、音をたてないメールなどの実情にそぐわなくなり、「車内での携帯電話での通話はお控え下さい」に変わった。
このへんの変遷はなかなか味わい深いものがある。