naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

朝青龍問題、変な方向へ・・・

朝青龍問題。

本人の主治医に加えて、日本相撲協会が差し向けた医者が本人に会ったらしいが、診断に大きなずれはなく、「抑うつ状態」。少なからず深刻なメンタル疾患の状態にあるらしい。

協会の医者が診ての話だが、それでも何か嘘っぽく感じてしまう部分も正直あるぞ。

協会の対応という点で思うのは、事件の発覚から処分が下るまでは、「大事な興行である、夏巡業を軽視したことが許せない」という話だったものが、今は、「メンタル面の治療のために、モンゴルに帰国させるかさせないか」の問題に転じてしまっている、そのことがちょっとおかしいような・・・。

だって、決まった処分の中には、家と部屋以外の外出は認めない、というのもあったのだから、モンゴルへの帰国などは論外のはずなんだけどね。

いまだに、強硬な意見を述べる理事もいるようだが、治療のために、日本にいるよりはモンゴルにいる方が治療効果がある(かもしれない)といわれて、どうするどうする、とやっているとも報じられる。
処分を下した時点では、何か、ここぞとばかり厳しく威勢がよかったのだが、あのふてぶてしい朝青龍が、メンタル疾患に陥るというのは、想定外だった(私も、そしておそらく協会も)。
予想以上に、処分に対してヘコんでしまった(と言われる)朝青龍に、挙げた拳のおろしどころがなくなってるって感じもある。

今の相撲界を支える、金看板の横綱が、そこまで落ち込んでしまっているなら、どうやって立ち直らせるのか、という方が、もはや重要課題になってしまっているみたいですよね。

もちろん、再三書いているように、真相がどうなのかは、わからないのだが。

今発売中の週刊文春の記事にあるように、このメンタル疾患自体が仮病だとすれば、そして、治療のためのモンゴル帰国を認めるような話になれば、もしかすると、朝青龍サイドが思い描いた通りのシナリオなのかもしれないが・・・。

とうころで真相の詮索はともかくとして、私が気になったことが一つある。
処分が下ってから、初めて朝青龍本人と顔を合わせたという師匠の高砂親方
朝青龍に対して、「俺もがんばるから、お前もがんばれ」と言ったとか。

うつ方向にある患者に、「がんばれ」は禁句。
「がんばれ」の励ましが、本人を追いつめ、自殺につながるケースは少なくないと聞く。
これはこの領域の医療での基本なのだが、高砂親方の周辺には、こういうことを事前にアドバイスする医師がいなかったのだろうか?
朝青龍の現況が、言われているように深刻だとした場合、師匠のこの接し方には、非常に疑問がある。

協会側の医師が診断書を書けば、帰国は認められるのだろう。おそらく数日の内にはそうなるだろうと思われるが、出場停止はとけないにせよ、今回の処分の相当部分が形骸化することになる。

私が懸念するのは、帰国した場合、そのまま朝青龍が引退することにつながるのではないか、ということだ。
帰国を認めず、あくまで謹慎をさせれば、来年1月の復帰に向けての努力もさせる余地があるが、帰国してしまえば、どうなるか。
どうしても日本に戻って復帰しよう、という気力はよみがえらない可能性はないか。
いっそこのまま引退してもいいや、ということにならないか。

そのような結末は、やはりさみしいし、惜しいし、あってほしくない。
夏休み中と伝えられる北の湖理事長は、どのように考えているのだろうか。