五月場所が始まった。
大関琴ノ若が、昇進2場所目の今場所から二代目琴櫻を襲名した。
琴櫻として初めて土俵に上がった初日の映像。
初代琴櫻は、昭和49年(1974年七月場所)の場所前に引退を発表。
同じその七月場所、横綱北の富士も、初日から2連敗した後に引退を発表した。
大鵬、柏戸に次ぐ世代として横綱になった2人が、同じ場所に引退したわけだ。
初代琴櫻が最後に相撲を取ったのは、その1場所前の五月場所。初日から3連敗して休場している。
つまり、テレビの画面に「琴櫻」の名前が映し出されるのは、1974年五月場所(3日目)以来だから、ちょうど50年ぶりということになる。
1974年5月と言えば、私は大学入学に伴って、18年過ごした木更津の実家を離れ、小平市の下宿で1人暮らしを始めたばかり。
四畳半の部屋の白黒テレビで初めて相撲を観たのが、この五月場所だった。
50年。半世紀。
18歳だった私は2ヶ月後に69歳になる。
そして、翌場所引退する横綱琴櫻の孫が、50年後に大関琴櫻として土俵に上がるとは。
その二代目琴櫻は、大栄翔に敗れた。立ち会いから終始ちょっと腰高だったのが敗因か。