５月場所６日目

豪栄道がいい動きで持ち味を出したが、欲を言えば、充分に組んでからはもう少し前に出る相撲を見たい。

全勝の豊ノ島に土。高見盛に差し負けた。悔しそうだった。

栃煌山が久しぶりに右差しからの攻めをみせたが、左が上手でやや深かったため攻めきれず、安美錦の逆襲を許した。本来の相撲にはほど遠い。

稀勢の里が朝赤龍を破って５勝１敗。しかし、いつも思うのだが、充分の左四つになっても相変わらず寄る形がよくない。
ふと貴乃花の相撲を思い出す。故小坂秀二氏が｢玉の海以来の｢腰でとる相撲｣｣と評していたものだが、要するに、稀勢の里の寄り身は腰でなく両腕だけのもののように思う。

琴欧洲が今日もまったくぶれない相撲。安定感がある。それにしても、把瑠都は物足りないことおびただしい。

安馬がいい相撲。千代大海に真っ向から突き勝った。今場所の千代大海はまったく突きに力がない。

琴奨菊は、魁皇ペースで左四つになられて後手にまわった。その左四つでかまわず攻めても戦えたように思うが、有利な体勢をめざしてか一旦離れての相撲にいったのが災いしてはたかれた。

朝青龍はやや上向いてきたか。旭天鵬に立ち合い二本入れられたが、まわしは許さずに体勢をかため、左上手を引きつけての寄り。出足はよかった。

白鵬がその朝青龍のずっと上をいく相撲。若ノ鵬を問題にせず。白鵬という人はもともと強いという感じが前面に出る力士ではないが、今場所は本当に強い、さらに言えばすごいとさえ感じさせられる。

全勝　白鵬、琴欧洲

琴欧洲がどこまで全勝でいけるかが当面の興味だ。