naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

7月場所13日目~やぐら投げが34年ぶりとは

霜鳳猛虎浪は、右四つがっぷりの力相撲となったが、霜鳳が上手を切って寄り、勝ち越し。しかし、猛虎浪も、すばやく左上手をとった立ち合いを見ると、いいものを持っていると思う。

豊ノ島は、速い動きでもろ差しねらい。栃乃洋が左をまきかえるところ、とった右上手からの出し投げですかさず決めた。

朝赤龍が、久しぶりにこの人らしい相撲。立ち合いすぐに左前まわし。頭をつけて食い下がり、右から攻める、朝赤龍本来の格好。最後は、右から無双を切って武州山を引き落とした。

豊真将が、いい相撲で勝ち越し。立ち合い栃ノ心が突き起こして出ると、豊真将は一旦下がったものの、下から押し上げて応戦してしのぎ、右四つ。栃ノ心が力の出る上手を与えずに、先に上手をとって、両まわしを引きつけて出た。攻めの速さがよかった。

時天空は、左右で前まわしをとって引きつけると一気に出た。高見盛は、左右とも差すことができないまま、何もできずに下がった。

翔天狼は、立ち合い頭で当たったが、把瑠都はまったく動じず、引っ張り込んで左四つに組み止め、上手をとると、高々とつった。
前にも書いたが、つってからまっすぐ前に歩くのは、把瑠都がつり方を教わっていないということだ。た、つられた翔天狼が、何ら抵抗しなかったのも、つられた経験がないからだろう。日本人力士でも珍しいつりだから、外国人力士が知らなくても仕方がない面はあるが。

阿覧が、今日も乱暴な相撲。顔ばかりねらった突きは、見苦しいものがあった。栃煌山は、その突きを張り手を交えて反撃しながらこらえ、右四つに組んで、東に寄るが、阿覧もこれを残す。以後、互いに攻め手がなく、膠着状態だったが、最後、阿覧が引きつけて正面に寄った。
栃煌山は、依然白星なしの13戦全敗。この人の場合、こういう四つの格好だとやや具合が悪いところがある。やはり、二本のぞかせるか、完全に組まず、左からおっつける格好でないと。

小結同士、旭天鵬琴奨菊は、立ち合い右四つ。琴奨菊としては、勝手の悪い四つだったが、左からおっつけて差し、もろ差し。旭天鵬は、左右からきめてこらえ、前に出る場面もあった。
しかし、琴奨菊は、下からゆさぶってきめられた体勢を崩し、がぶって寄った。このへんは、非常にうまかった。最後は、さばおり気味の右下手投げ。

関脇同士、鶴竜稀勢の里。今日の稀勢の里は、離れての相撲。鶴竜にまわしをとらせず、突ききった。稀勢の里は勝ち越し、鶴竜は負け越し、明暗を分けた。

千代大海は、豪栄道を激しく突いたが、まともにはたいてしまし、土俵際まで押し込まれた。豪栄道が元気だったら、ここで勝負がついていたところだが、千代大海が思い直して突き、赤房下へ押し出した。大きな7勝目。

琴光喜が、曲者安美錦にまんまとやられた。安美錦は、立ち合い頭でガツンと当たっておいてから、次の瞬間左に変わり、左上手からの出し投げ。琴光喜は完全に後ろを向いてしまった。
琴光喜は、痛すぎる3敗目。

魁皇岩木山は、立ち合い左四つ、魁皇はすぐに上手をとり、岩木山に上手を与えない、いい格好。その上手から投げで崩して寄って出た。魁皇も7勝目。

朝青龍が、今日も気迫の相撲。立ち合い左から張って、右四つ、先に上手をとった。日馬富士は上手がとれず。朝青龍が引きつけて向正面に寄ると、日馬富士も一旦は残したが、今度は朝青龍が、つりあげておいてのやぐら投げ。見事に決まった。
久々にやぐら投げを見たと思ったが、NHKの放送によると、幕内では75年11月場所の青葉山以来とのこと。34年ぶりだ。当時私はまだ大学2年生。社会人になってから初めて見るということになるのか。
何だかんだ言いながらも、これで朝青龍は2ケタ。昨日、今日の気力はすごい。

1敗同士、白鵬琴欧洲は、立ち合い琴欧洲が左前まわしに手がかかった。今場所は、この立ち合いで、いい形を作れているのだが、さすがに横綱はこれを許さず、白鵬は、自分が先に上手をとる、有利な形で右四つとなった。琴欧洲は上手がとれない。
白鵬の両まわしは、しっかりとれておらず、伸び加減で、無理な攻めを見せると、逆転技が危ない、と思われた。
琴欧洲は、左でおっつけながら前へ出てわりだしをねらうが、白鵬はまわりこんで残す。ここは余裕が感じられた。最後は左からの上手投げ。上手の引きつけ方、下に投げたところが見事だった。白鵬は、先場所の雪辱を果たした。
白鵬は、前日の魁皇戦の後、左ひじを痛そうにしていたので、それがどうかと思ったが、放送では向正面解説が熊ケ谷親方だったにもかかわらず、まったくふれずじまい。土俵に上がっての白鵬を見ても、サポーター、テーピングもない。相撲を観た感じでは、問題なさそうだ。
一方、好調の琴欧洲としては、もう少し何とかならなかったのか、という印象もあるが、振り返ってみれば、常に、すべての面で横綱の方が少しずつ上だった、という相撲だった。あるいは、琴欧洲は、明日対戦する朝青龍のやぐら投げを土俵下から見て、少々臆したか?

1敗 白鵬
2敗 琴欧洲
3敗 朝青龍琴光喜安美錦
白鵬は、日馬富士朝青龍
琴欧洲は、朝青龍日馬富士
結局、朝青龍日馬富士が鍵を握ることになった。個々の対戦の予想は色々あろうが、きわめておおざっぱに言えば、今日ついた星一つの差は、大きいか?