ところで、その時山口百恵が歌ったのが、「プレイバックPart2」。
この曲の歌詞の冒頭に、「真っ赤なポルシェ」という言葉が出てくるが、当時、NHKでは、固有の車の名前は宣伝になってしまうとの理由でこれを規制しており、NHKの番組においては、「真っ赤な車」と歌詞を変更して歌われていた。
ところが、この紅白のステージでは、「ポルシェ」と歌ったのだった。
びっくりした。
びっくりした。
一般名詞と、商標登録された固有名詞。
カルピスは、カルピスの商品名。
エレクトーンは、ヤマハの商品名。
日常会話で、これらについて話す時、いちいち「乳酸菌飲料」だとか「電子オルガン」だとかの一般名詞は使わないよね。本来それが正しいんだろうけど。
それは、競争関係にある類似の商品がにわかに思い浮かばないくらい、その商品が寡占的に一般名詞化している(実際の売上シェアがどうかは知らないが)からだろう。
商品名を言ってしまった方が、伝わりやすい、ということだ。
商品名を言ってしまった方が、伝わりやすい、ということだ。
それぞれの会社にとっては、誇らしいことだと思う。
同様の例だが、少々ニュアンスが違うものとして、思い浮かぶのが、以下の3つだ。
宅急便 ヤマト運輸
万歩計 山佐時計機器
セロテープ ニチバン
これらは、それぞれ、「宅配便」、「歩数計」、「セロハンテープ」という、語感の近い一般名詞があるので、本来はそちらを用いるべきかな、との感覚が個人的にはある。
だが、日常会話の中では、「宅急便を呼んでくれ」とか「最近、万歩計つけてるんだよ」とか「そこのセロテープとって」とか、固有名詞の方が使われるのをよく聞く。
この場合は、誤用という感じが拭えない。個人的な感覚だが。
しかし、これらも、それぞれの会社にとって、自社の商品の一般名詞化は、何よりのステイタスではないかとも思う。