naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

そのスーパードライは嫌いなんです

前の記事で紹介した、国内で圧倒的な販売量を誇る、アサヒのスーパードライ

 

実は、そのスーパードライが嫌いだ。

 

mixiでは、「アンチ!アサヒスーパードライ」というコミュに入っているくらいだ。

 

最初から嫌いだったわけではない。

 

長年業界で下位に甘んじていたアサヒが、「コクがあるのにキレがある」のキャッチコピーで、普通のビールをテコ入れし、反転に転じて間もなく、スーパードライを発売した。

 

ラベルに「KARAKUCHI」という文字が印刷されていた。日本酒には古来辛口というのがあるが、ビールの辛口という発想には、新鮮さを感じたものだった。

 

実際飲んでみると、切れ味の鋭さを感じて、好ましく思った。
これはいい、と思ったものだった。
それで、しばらくはスーパードライばかり飲んでいたと記憶する。

 

このスーパードライは大当たりし、他メーカーも追随して、キリンもサッポロもサントリーもドライビールを発売した。

 

いわゆる「ドライ戦争」である。
(同じ頃、「容器戦争」というのもあったな)

 

私がスーパードライから離れるきっかけになったのは、「美味しんぼ」が、ドライビールをとりあげたことだ。

 

ドライビールとは何か、というテーマで、各メーカーに取材する場面も描かれていたが、結局、企業秘密ということで、ドライビールの製法上の定義は明らかにならなかった。

 

「本物」を追求する「美味しんぼ」らしく、本来のビールとは、副材料を使わない、麦芽100%のものを言う、という結論づけだったと記憶する。つまり、ドライビールについては、否定的な話だった。

 

このストーリーの中で、山岡士郎が、「金属のスプーンを舌に当てて、離してみて下さい」と言う場面がある。その場の登場人物が、「ドライビールと同じ味がする!」と驚くのだが、この場面を読んで、「ドライビール=金属的な味」という観念が、私の中に取り込まれた。

 

その後は、自分でも不思議だが、ドライビール(イコール、ドライ戦争で唯一勝ち残ったスーパードライ)がどんどん嫌いになっていった。

 

自分の思い込みの部分もあるのだろうが、そうすると、スーパードライを飲むと、必ず翌朝頭が痛くなるような気もしてきた。他のビールだって、飲み過ぎれば頭が痛くなるんだけどね(笑)。

 

まあ、アサヒにとっては言いがかりなんだろうが、私一人くらいアンチがいたってびくともしないだろうから、続きを書こう。

 

今、私は、初めて入ろうとする飲食店の場合、出されるビールが何であるかをまず気にする。
入る前に、店頭のショーケースとかに陳列されているサンプルの瓶でわかればよし。
わからなければ、店の脇とかに積んである、空き瓶の入ったビールケースをのぞいてみたりする。

 

で、スーパードライであるとわかれば、その店には入らない。食べさせるものがおいしそうであってもだ。
入口に、スーパードライの看板が立ってでもいれば、当然論外。

 

わからない場合は、とりあえず入って、ビールの銘柄は何ですか、と聞く。で、スーパードライしかない、とわかれば、失礼する。

 

自分で会社の飲み会の幹事をする時には、自分で店を選べるわけだから、この点のぬかりはない。

 

ただ、自分で行く店をコントロールできない場面もしばしばあるわけで、そういう時は、圧倒的な販売量を誇るスーパードライにお目にかかることが多い。
前の記事に書いたが、飲み放題のコース、というような時は、十中八九そうなる。

 

だったら別の酒を飲めばいいじゃないか、と言われそうだが、悲しいかな、3軒目に行ってもビールを飲んでいるビール党の私としては、たとえ嫌いであってもスーパードライを飲む方をとらざるを得ない。

 

まあ、日本一の人気ブランドだから、店としてもお客さんのために出すんだろうけどね。

 

ただ、できることなら、どのお店も、最低限2種類の銘柄は仕入れてほしいな、といつも思うのである。

 

※酒関係の過去記事
    mixi酒バトン
       https://naokichivla.hatenablog.com/entry/24802186