naokichiオムニバス

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「あぶさん」突然連載完結の違和感

20日(金)朝、朝日新聞の朝刊で、「あぶさん」の連載完結を報じる記事を見た。

この件、同日のスポニチにも載っていたばかりでなく、日本経済新聞の朝刊にまで載っていてびっくり。

来年は、テレビ界でも、「いいとも」が終わり、「はなまるマーケット」も終わる。

うーん、時代の変わり目なのか?

こうなると、「ゴルゴ13」と「こち亀」にはまだまだがんばってほしいが。

あぶさん」は、1973年からの連載だが、その最初から読んでいたわけではない。

正確な記憶ではないが、私が「ビッグコミックオリジナル」を毎号読み始めたのは、会社に入ってからだったと思う。
(「釣りバカ日誌」は初回から読んでいるように思う)

だから、「あぶさん」は途中から読み始めた。

1983年から、千葉の現場事務所勤務になり、独身だったので事務所2階の宿舎で生活していたが、休日によく行った、事務所近くの食堂に、「あぶさん」の単行本が全巻揃っていた。

この店に行くたびに、第1巻から自分が知っているところまでを少しずつ読んだものだ。

以後、単行本は自分でも全巻買い揃えた。

大学時代から没頭して読んだ「ドカベン」が、野球そのものの勝敗中心の内容だったのに対して、「あぶさん」の方は、当時弱小球団だった南海ホークスが舞台だったこともあってか、「大虎」を中心にした、野球選手以外の登場人物が織りなす人間ドラマの世界。

(景浦)安武が、大虎の店先でサチ子にプロポーズした場面は、今でも忘れられない。
そして、景虎が生まれ、その景虎にも子供が生まれる。長期連載ならではのことだ。

安武が、50を過ぎ、60になってもまだ現役生活を続けていることには、途中から違和感があった。

人間ドラマとしての「あぶさん」なのだから、安武を適当なところで引退させ、野球にはコーチとかの立場でかかわらせ、以後は景虎中心の内容にしていってもいいのではないか、と思っていたものだ。

その意味では、引退してまだ4年のこの時期に連載終了となることに、物足りなさを感じる。

と言うか、腑に落ちないのだ。

前号までに、安武の退団についてはまったくふれられていない。

最新号発売日である20日の朝刊で、このことを知り、その後買い求めた「ビッグコミックオリジナル」で、さっそく「あぶさん」を読んでみた。

すると、10月末、秋季キャンプ前日に、王会長と安武がヤフオクドームで語る回想シーンから始まっている。

ここで、シーズン4位の責任をとって、助監督の安武が退団を申し出る。

退団記者会見までが、回想シーンの一環の1コマでかたづけられてしまっている。

どうも違和感があるな。

連載終了が既定のことだったなら、どうして、シーズンが終わった時点のもっと前の回でそれが描かれなかったんだろう。
(秋山監督がユニフォームを脱がなかったのに、就任してまだ1年の助監督が引責辞任するというのも変)

第一、このところの「あぶさん」は、肩を壊した景虎の打者転向が、大きなテーマになっていた。

このテーマもまだ道半ば。前々号の「鷹の選択」と称する回では、景虎がいずれ投手に復帰する可能性にもふれられていた。

選手としての第二の野球人生を、父安武がどう支えて行くのか、と期待していたのだが、完結までの残り3回では、とてもまとまらないのではないか。

それやこれや考えると、この連載終了は、非常に唐突に思えるし、実際にも何かの事情で急に決まったのではないか、という気がしてくる。

例えばの推測だが、作者の水島新司氏が、自分の年齢などを考慮して、創作にかける時間を、並行連載している「ドカベン」一本に絞ろうと決断したのか?
(「ドカベン」の方は、ドリームトーナメント大会の渦中であり、こちらはどうしても大会終了までを描ききる必要がある)