naokichiオムニバス

67歳会社員。ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

9月場所10日目

相撲の記事を書く時には、録画を観ながら手元にメモを取る。

今日は、記事を書く予定がなかったので、漫然と観ていたが、稀勢の里の相撲を観て言いたいことが出てきてしまい、以下、メモなしの記憶頼みの記事です。

6勝3敗同士、旭天鵬佐田の海は、旭天鵬が左四つに組み止めての寄りで勝ち越しにリーチ。
旭天鵬については、ご同慶の至りではあるが、若くてスピードにも勝る佐田の海から見れば、物足りない一番。

碧山は、突き合いの我慢比べで、先に引いた方が負けた相撲。
勢が我慢できたのに、何故、鶴竜は我慢できないのか、と言いたくなる。

1敗の逸ノ城、今日の相手は、昨日横綱を破った嘉風
嘉風は、立ち会いから、さすがの動きで存分の相撲をとったが、最後は逸ノ城がはたいて押さえつけた。
今日も、相手の攻めをしのいでかわした、という内容であり、立ち会いから自分の攻めを見せての勝ちがほとんどない点は、相変わらず物足りない感じがする。
9勝1敗、優勝争いの二番手にいる、という成績に比してどうなのか、という気もするのだが、今場所、三役経験者にことごとく勝ち、とりわけ、2横綱大関を破っている嘉風に勝った、という事実からは、何か、この力士の相撲に、上記の価値観では計れない、規格外のものがあるのかもしれない、とも思う。
嘉風は、充分に相手の相撲を研究し、こう取れば勝てる、という相撲を取ったと思う。花道レポートでは、はたかせる形に持ち込みたい、と言っていたそうだ。実際、そういう流れになったわけで、基本的に嘉風の相撲だったはずなのだが、勝敗を分けたのは、逸ノ城嘉風の間に距離が空いたことだったと思う。
また、はたかせればもうけもの、と思った嘉風にとって、あそこまで頭を押さえられたのは誤算だったのではないか。
そのあたり、逸ノ城として、意図的な相撲だったかどうか。
もしそうなら、私としても、規格外と評価せざるを得ない。

照ノ富士高安は、高安が、格上らしく存分に自分の手順で相撲を取ったものの、照ノ富士の右のかいなの返しが非凡。これでしのぐという以上に自分の体勢に持っていった。
左上手をちゃんととらずに前に出たので、高安の首投げに再三ぐらついたが、これを残す足腰のよさも非凡だ。
逸ノ城の相撲に、ちょっと考えさせられているところだが、少なくとも、表面的な相撲ぶりだけで比較するなら、逸ノ城よりは、照ノ富士の方が、「自分はこういう相撲を取りたい」というものが伝わってくる。誤った評価なのかもしれないが。

常幸龍遠藤の一番は、きわめて微妙。遠藤が例によって前にのめったものの、背中から落ちた常幸龍の体もなく、最低限物言いはつくべき相撲。その上で、軍配通りでなく取り直しとすべき一番だったと思う。
尚、勝負判定は別にして、この相撲の決まり手は、はりま投げ。久しぶりに見た。

その次の、千代大龍豊ノ島の一番は、千代大龍に軍配が上がって、今度は物言い。しかも、差し違えで豊ノ島の勝ちとなったが、これも疑問。
差し違えというのは、勝敗がよほど明確な場合でなければならないが、この一番、土俵を背にした豊ノ島の左かかともかなり微妙で、物言いはいいとしても、取り直しが妥当ではなかったか。

さて、稀勢の里宝富士は、左四つの攻防から、大関が攻めきれず、先に上手を取った宝富士が、寄って出て殊勲の星。
この相撲について言いたいのは、放送席の発言。
まず、大坂アナは、再三再四、「稀勢の里、慎重です」と言っていたが、これは絶対に違う。
慎重、という言い方は、私が中学生の頃、大鵬晩年の45連勝の時期に、大鵬の相撲を評するのに既に使われていた言い方と記憶する。
要するに、「勝負をつけようと思えば、いつでもできるのに、何故かそうせずにじっくり構える」と言った時に使う表現だ。
それからすると、今日の稀勢の里は、「慎重」というにはほど遠く、左四つにはなったものの、なかなか自分充分になれずに、攻めあぐんでいる、という状況。慎重でも何でもないと思う。
稀勢の里の四つ身の相撲が下手であることは、以前から再三指摘している。今日の朝日新聞の朝刊も、稀勢の里の型について指摘していた。
そんな稀勢の里の、あの程度の体勢を、何故、慎重と実況できるのか。再考してもらいたいと思う。
もう一つ、正面解説の舞の海の、取組後の発言には、耳を疑った。
稀勢の里という力士は、優勝争いから外れると力を出しますから。横綱戦に強くなりますからね」。
この発言は大いに問題ではないのか。舞の海自身が、日本出身力士の中で、是非初優勝を、横綱昇進を、とこれまで言ってきた一方で、こういう気持ちを持っていたのか、と。
全国の稀勢の里ファンは、この発言をどう聞いただろう。
それはともかくとして、今日の稀勢の里の相撲ぶりをどう理解するか。私は、もしかすると、明日の割りが逸ノ城に組まれたことの影響がありはしなかったか、と思う。
目の前の宝富士よりも、明日の逸ノ城について、大関初挑戦を受ける立場として、これに負けてはいけない、負けたらどう言われるか、といったような気持ちが、その前日の今日、土俵に上がっている状況で稀勢の里の頭の中を占め、今の相手にどういう相撲を取るか、ということを忘れさせたのではないか。
従来から、稀勢の里が、メンタル面で、優勝がからむ大事な相撲を落としてきたのを見てきた。だから、今日の相撲にこういう解釈をするのは、先入観、思い込みがあるのかもしれないが、実際、稀勢の里の心中はどうだったのだろう。

結び3番、琴奨菊豪栄道鶴竜豪風白鵬大砂嵐については、省略。
いずれも、勝者が圧倒して、さすが、と思わせる会心の相撲にはちょっと足りず、敗者がとことんがんばった、という相撲でもなかった。

全勝 白鵬
1敗 鶴竜逸ノ城
2敗 隠岐の海

舞の海指摘の通り、この中に、3大関の誰もいないところが、あまりにも残念という他はない。稀勢の里7勝3敗、琴奨菊6勝4敗、豪栄道6勝4敗。