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68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

新国立劇場「ニーベルングの指環」序夜「ラインの黄金」<1>

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10日(土)、新国立劇場2015/2016シーズンのオープニングを飾る、ワーグナーラインの黄金」に行ってきた。

この「ラインの黄金」は、シーズンのオープニングであると同時に、来年以降も続く「ニーベルングの指環」4部作上演のオープニングでもある。

まず、「リング」に関しては、個人的な積年の歴史にふれざるを得ない。

ニーベルングの指環」という、LPレコードにして十数枚からなる、大変な長さのオペラがある、と知ったのは、いつのことだったか。

たぶん、高校3年生、ベームバイロイト盤が新譜として発売された時だったと思う。

こんな巨大なオペラがあるんだよ、とかたわらにいた母に話したおぼえがある。

バイロイト音楽祭100周年の1976年、パトリス・シェロー演出の上演(ブーレーズ指揮)が大変な話題になったのは、大学3年の時だった。

大学オケの友人で、ヴァイオリンのMは、オペラファンで、私にオペラのあれこれを指南してくれたが、彼とは「リング」についても、しばしば語り合ったものだった。

いずれバイロイトへ行って「リング」を観てみたい、というのがMの夢だった。

国内での実演に接することもなかなか難しい時代、話の中心はレコードだった。Mも「リング」の全曲盤は持っておらず、音で聴くチャンスはとうとうないまま、「いずれ買うなら誰の盤を買うか」という話を、飽きもせずに繰り返したものだ。

当時だと、国内盤として売られていたのは、前述のベームの他、ショルティカラヤンフルトヴェングラーくらいだった。

ライトモティーフ集が特典について、かつ一番廉価なのがショルティ盤だった。確か、30,000円だったと記憶する。40年くらい前の30,000円だから、廉価といっても相当な金額だった。ちなみに、その後就職しての私の初任給は108,500円だった。

ショルティはデッカで録音もいいし、これが最有力かな、とMと話したまま、卒業。

以後、いつかは買おう、いつかは聴こう、と思いながら、なかなか手が出せなかったのが、「リング」であった。

50を過ぎて自分の人生の残り時間を意識するようになり、その「いつか」は、放っておいても訪れるわけではないのだ、と考え、決心して、カラヤン盤のCDを(ショルティ盤ではなく)輸入盤で買い求めた。それから、レヴァインメトロポリタン歌劇場の上演のDVDも入手した。
(その後、ワーグナーのオペラ全集の超廉価輸入盤CDボックスを買った時には、レヴァインの演奏が入っていた)

一歩を踏み出し、カラヤン盤を通勤時にウォークマンで聴いたり、レヴァインのDVDを家で流したりはしているものの、いまだ、鑑賞に専念する体勢でこの超大作に向き合ったことはない。

そんな折、新国立劇場で、新たなチクルスが始まる。

これは行くしかあるまい。

いまだ「リング」には不案内だ。登場人物、ストーリーもよく知らないし、音楽もちゃんと聴いてはいない。

しかし、この機会を逃したら、次にいつ「リング」の上演に接することができるかわからない。

ここは、不案内だろうが何だろうが、とにもかくにも実演に飛び込んでしまうしかない、と思った。

ということで、前日から、「はじめての《指環》」(山本一太著、音楽之友社)を読んで、にわか勉強。

ワルキューレ」以降はともかく、何とか、「ラインの黄金」のアウトラインだけはつかんで、会場に向かったのであった。

※関連の過去記事
    そろそろ計画的視聴を・・・?
       http://blogs.yahoo.co.jp/naokichivla/21674465.html
    カラヤンの「リング」全曲盤を求めて・・・
       http://blogs.yahoo.co.jp/naokichivla/62235137.html
    えらいもん見つけちゃって思案中
       http://blogs.yahoo.co.jp/naokichivla/63423199.html