まず、「リング」に関しては、個人的な積年の歴史にふれざるを得ない。
「ニーベルングの指環」という、LPレコードにして十数枚からなる、大変な長さのオペラがある、と知ったのは、いつのことだったか。
こんな巨大なオペラがあるんだよ、とかたわらにいた母に話したおぼえがある。
大学オケの友人で、ヴァイオリンのMは、オペラファンで、私にオペラのあれこれを指南してくれたが、彼とは「リング」についても、しばしば語り合ったものだった。
いずれバイロイトへ行って「リング」を観てみたい、というのがMの夢だった。
国内での実演に接することもなかなか難しい時代、話の中心はレコードだった。Mも「リング」の全曲盤は持っておらず、音で聴くチャンスはとうとうないまま、「いずれ買うなら誰の盤を買うか」という話を、飽きもせずに繰り返したものだ。
ライトモティーフ集が特典について、かつ一番廉価なのがショルティ盤だった。確か、30,000円だったと記憶する。40年くらい前の30,000円だから、廉価といっても相当な金額だった。ちなみに、その後就職しての私の初任給は108,500円だった。
ショルティはデッカで録音もいいし、これが最有力かな、とMと話したまま、卒業。
以後、いつかは買おう、いつかは聴こう、と思いながら、なかなか手が出せなかったのが、「リング」であった。
50を過ぎて自分の人生の残り時間を意識するようになり、その「いつか」は、放っておいても訪れるわけではないのだ、と考え、決心して、カラヤン盤のCDを(ショルティ盤ではなく)輸入盤で買い求めた。それから、レヴァイン=メトロポリタン歌劇場の上演のDVDも入手した。
(その後、ワーグナーのオペラ全集の超廉価輸入盤CDボックスを買った時には、レヴァインの演奏が入っていた)
(その後、ワーグナーのオペラ全集の超廉価輸入盤CDボックスを買った時には、レヴァインの演奏が入っていた)
そんな折、新国立劇場で、新たなチクルスが始まる。
これは行くしかあるまい。
いまだ「リング」には不案内だ。登場人物、ストーリーもよく知らないし、音楽もちゃんと聴いてはいない。
しかし、この機会を逃したら、次にいつ「リング」の上演に接することができるかわからない。
ここは、不案内だろうが何だろうが、とにもかくにも実演に飛び込んでしまうしかない、と思った。
※関連の過去記事
そろそろ計画的視聴を・・・?
http://blogs.yahoo.co.jp/naokichivla/21674465.html
カラヤンの「リング」全曲盤を求めて・・・
http://blogs.yahoo.co.jp/naokichivla/62235137.html
えらいもん見つけちゃって思案中
http://blogs.yahoo.co.jp/naokichivla/63423199.html
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