幕内1,000勝まであと14勝で初日を迎えた時点では、今場所中の達成はどうか、と思ったが、14日目、全勝でしかも優勝を決めるのと同時に達成したのは、ドラマチックだった。
(9月場所、14日目時点での記録である点、注意)
ただ、大鵬の12年連続には、実は別の意味もある。1971年、5月場所で大鵬が引退した後に発行された、「相撲」誌の大鵬引退記念号に載っていたのだが、大鵬は、「新入幕の年から引退の年まで、優勝しなかった年がない」のだ。その記事には、「おそらく今後も破られない記録だろう」と書かれていた。
「新入幕の年に優勝する」というのは、なかなか難しいことだろうと思う。大鵬の場合、1960年1月場所が新入幕。初日からの連戦連勝での、あの柏鵬戦の場所だ。初優勝は入幕6場所目の11月場所だから、大鵬としてもギリギリのタイミングだったことになる。新入幕場所が1年の最初の場所だったというタイミングに助けられた面もあるだろうか。
そうした点はさておき、ともかく白鵬が、記録面で孤高の存在であることは、論を待たない。
あらゆる記録をほぼ塗り替えてしまった白鵬が、下り坂の地力や、怪我を抱えながら、次に何を目指して行くのか。
昨日の優勝インタビューでは、その質問に明確に答えなかった。