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白鵬、孤高の記録

9月場所、白鵬が、横綱800勝と幕内1,000勝を達成した。

幕内1,000勝まであと14勝で初日を迎えた時点では、今場所中の達成はどうか、と思ったが、14日目、全勝でしかも優勝を決めるのと同時に達成したのは、ドラマチックだった。

昨23日(日)のスポニチに、白鵬の各種記録の表が載っていた。

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(9月場所、14日目時点での記録である点、注意)

白鵬の持つ1位記録」を見ると、もうありとあらゆる記録で、白鵬が史上1位ではないか、と思わされる。

千秋楽の相撲中継でも、大坂敏久アナと北の富士さんが、白鵬がこの後目指すべき記録があるのか、という話をしていた。

北の富士さんが、「(双葉山の)69連勝だけ、抜けなかった」というような趣旨の発言をされていた。

確かに、白鵬の63連勝は、史上2位。これから70連勝を果たすことは、さすがの白鵬でも難しいだろう。

白鵬が今場所達成した記録として、今年初めての優勝を果たしたことで、13年連続の幕内優勝となったことも挙げられる。これは、これまでの大鵬の12年連続を抜く、史上1位である。

ただ、大鵬の12年連続には、実は別の意味もある。1971年、5月場所で大鵬が引退した後に発行された、「相撲」誌の大鵬引退記念号に載っていたのだが、大鵬は、「新入幕の年から引退の年まで、優勝しなかった年がない」のだ。その記事には、「おそらく今後も破られない記録だろう」と書かれていた。

大鵬の32回を大きく上回る41回の優勝を達成し、13年連続の優勝を果たした白鵬だが、初優勝は、新入幕から3年目の2006年。大鵬には、この点では及ばなかった。

「新入幕の年に優勝する」というのは、なかなか難しいことだろうと思う。大鵬の場合、1960年1月場所が新入幕。初日からの連戦連勝での、あの柏鵬戦の場所だ。初優勝は入幕6場所目の11月場所だから、大鵬としてもギリギリのタイミングだったことになる。新入幕場所が1年の最初の場所だったというタイミングに助けられた面もあるだろうか。

そうした点はさておき、ともかく白鵬が、記録面で孤高の存在であることは、論を待たない。

あらゆる記録をほぼ塗り替えてしまった白鵬が、下り坂の地力や、怪我を抱えながら、次に何を目指して行くのか。

昨日の優勝インタビューでは、その質問に明確に答えなかった。