naokichiオムニバス

66歳会社員。ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

新国立劇場「ドン・ジョヴァンニ」

25日(土)、新国立劇場で、モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」を観賞。

いい天気。予報通り暑くなった。

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この演目は、宇奈月オペラの初回、2016年にハイライトを演奏したことがある。もしかすると2020年に、チクルス2巡目で再度演奏するかもしれないので、その予習にもなるだろうか。

私の席は、1階10列8番。珍しく1階席を選んでみた。

この劇場でのこの演目、グリシャ・アサガロフ氏の演出は、2008年が初回で、今回が4回目となる。アサガロフ氏のプログラムノートによると、ダ・ポンテと親交のあったジャコモ・カサノヴァと、ドン・ジョヴァンニとは、人物像に多くの共通点があるとの考えから、舞台設定をカサノヴァの生まれ育ったヴェネツィアに移したとのこと。

序曲の途中で幕が上がると、そこはヴェネツィア。舞台下手からゴンドラに乗って、ドン・ジョヴァンニとレポレッロが登場。

たまたまだが、1月にイタリアに出張した際、ヴェネツィアにも立ち寄ったので、あの時の街の様子を思い出した。

    イタリア出張<5>
       https://blogs.yahoo.co.jp/naokichivla/66237111.html
    イタリア出張<6>
       https://blogs.yahoo.co.jp/naokichivla/66237126.html

このオペラ、それなりに親しんできたし、演奏経験もあるので、ある程度はわかっているつもりだったが、改めてもう少し予習してくればよかったな、と思いながら聴いた。

フィガロの結婚」と同様、ストーリーの中で、結構ドタバタ的な要素がある。この日の客席からは、時々遠慮がちな笑い声が漏れていたが、本当は、ドリフターズのコントみたいに、ドッと笑いが起きてもいいと思う。モーツァルトの時代は、もしかするとそうだったかもしれない。ただ、付いている音楽があまりにも芸術として高すぎるから、今の時代の日本あたりでは、そうならないんだろうけど。

1幕の終わり近くに地震があった。おっ、揺れてる、と思った程度ですぐおさまったし、演奏がストップするほどではなかった。
(後で調べたら、劇場がある渋谷区本町は震度3。最大震度は、千葉長南町震度5弱だった)

2幕は一段と力の入った演奏だった。

このオペラが、単純な勧善懲悪の物語ではないこと、描かれている女性たちの心理も決して単純なものではないことが、聴いていてよくわかった。

ドン・ジョヴァンニという男性は、決して単なる憎まれ役ではなく、ある魅力を備えたキャラクターだし、ドンナ・エルヴィーラの揺れ幅のとても大きい女心も、このオペラの深みの一つだ。

この演出では、ドン・ジョヴァンニが地獄に落ちた後の六重唱で、ドンナ・エルヴィーラは、残されたドン・ジョヴァンニの衣装を手にして泣き崩れる。ドンナ・アンナが、ドン・オッターヴィオの求めを拒み、結婚は1年待ってくれと話すのと併せて、女性たちの心の中を推し量らせるものがある。

また、最後の幕切れ、一人舞台に残ったレポレッロは、右手に依然として持っている、主ドン・ジョヴァンニの女性のカタログを捨てることをしない。「もっといい主を探すんだ」と言いながら、彼の心の中にも何かが残っている、という意味だろうか。

東京フィルがすばらしかった。とても美しいモーツァルトだった。指揮者のさばきが鮮やかだったと思う。

歌手では、何と言ってもドンナ・エルヴィーラ、ツェルリーナの日本人2人がよかった。そして、ドン・ジョヴァンニとレポレッロもすばらしかった。

カーテンコールで合唱を出さなかったのは、ちょっと残念だった。