naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

土俵上の飛沫リスク

いまだにその実体、実相がよくわからない新型コロナウイルスだが、飛沫による感染リスクが高いと言われている。

一般的なマスクの効果も定かではないが、着けていれば一定の安心感はある。

しかし、マスクを外さざるを得ない場面もあるわけで、その最たるものが飲食だ。

特に夜の飲み会は、別に接待を伴うでもない普通の居酒屋でも怖い。

飲むにつけ食べるにつけ、どんどんテンションが上がっていき、互いに飛沫を浴びせ合っている状況になる。

気の合う仲間と飲みに行くのを躊躇する状況は、誠にさみしいものがある。

ところで話は変わって、相撲。

コロナ禍にあってテレビの中継を観ていると、土俵上の行司さんの「残った残った」の掛け声も、相当に飛沫リスクがあるよなあ、と思う。

三役格の木村容堂さん(終わりから6番、5番前を裁く)は、時間いっぱいになって両力士が蹲踞すると、まず「待ったなし!」と叫ぶ。

その後、自らはぐっと腰を沈めて、一旦立った両力士が手を着くために腰を割るのを待つ。

両力士の顔が、自分の顔の高さまで降りてくるのを待ってから、「手を着いてっっ!」と叫ぶ。

何だか、観ていると「俺の飛沫を浴びろっ」と言わんばかりで、可笑しくなる。

いざ立ち上がってからは、容堂さんに限らず、どの行司さんも、「残った残った」と言いながら、力士が動く方へ動く方へと就いて行って声を浴びせ続ける。

マスクはしていない。

オーケストラや合唱の指揮者は、練習に際しては、マスクをした上でなお、演奏者と2メートル以上の距離を空けることが奨励されている。

それを思うと、土俵上の力士ってリスクが高いなあ、と思うのだ。

まあ、行司以前に、相撲を取る行為そのものが、濃厚接触ではあるけどね。