7日(月)、A社(西新宿)勤務の帰りに、新宿駅西口近くのブックファーストに立ち寄った。通勤ルートにある書店の中では最大で、最も立ち寄りやすい場所にある。
入ってすぐの雑誌の平積みコーナーを見ていて、「kotoba」(季刊。集英社)が目に入った。
昨年、ベートーヴェンを特集していたのを買うまでは、存在も知らなかった雑誌である。
表紙に「特集 ザ・ビートルズ」とあるのを見て、おっ、ビートルズか、と手に取った。
目次を開いて眺めていたら、奥田民生、吉井和哉、かわぐちかいじに始まる執筆者の中に、私的に見覚えのある名前を発見。
大学オーケストラで一緒だったS氏である。
同姓同名の別人かもしれない、とそのページを開いてみると、記事の末尾に執筆者プロフィルが載っており、間違いなくS氏であった。
S氏は私より1年後輩で、入部当時はチェロを弾いていたが、途中で打楽器に転じ、主にティンパニをたたいていたと記憶する。
私が演奏会のプログラム冊子の企画編集を担当していた時期、毎回表紙のデザインを頼んでいたのがS氏だった。
レコード店(確か国立楽器)で一緒にいた時、「naokichiさん、絶対これ気に入りますよ」と、ゴダイゴのアルバムを勧めてくれたのを始め、いくつもの思い出がある。
卒業後はたぶん会っていないと思うが、この時代なのでSNS上で再会し、今はFacebookで友人関係にある。
ロンドンに在住し、翻訳の仕事をしていると聞いており、昨年末には、彼の訳書が朝日新聞の書評欄に紹介されたのを見た。
そんな彼が、このビートルズ特集に文章を寄せたのを、たまたま見つけたのだった。
これは買わねば、と一も二もなくレジに急いだ。
S氏が書いたのは、「ロンドンでビートルズをしのぶ」というタイトルの文。
読んでみると、ビートルズゆかりのロンドン各所の写真とともに、そこにまつわるエピソードが書かれている。
1962年の元日、前日にリヴァプールからロンドンに来た彼らがデッカのオーディションを受けて落ちた話に始まり、ポール(・マッカートニー)が住んでいた家、アップル事務所、アビイ・ロード・スタジオ等々。
無駄のない文章、面白い内容に、一気に読んだ。
イギリスには一度も行ったことがないが、もしそんな機会があったら、S氏に頼んでこれらの名所を案内してもらいたいものだと思った。