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68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

銀座ヤマハと山野楽器のCD売場へ

今日10日(月)は、妻と東京に出かけた。

目的は明治座での観劇。

梅沢富美男特別公演 泉ピン子特別出演」という公演である。

 

11:00開演。3部構成で、第1部がお芝居、第2部が歌謡ショー、第3部が舞踊。

第1部終了後に、館内の食堂で、予約しておいた文字通りの幕の内弁当を食べた。

多彩な内容のステージを堪能して、14時半頃表に出て銀座に向かった。

 

妻がプレゼント用のCDを買いたいということで、ヤマハへ行ってみた。

前の会社は京橋だったので、会社帰りにヤマハや山野楽器へ立ち寄ることが多かったが、現在は西新宿と三軒茶屋勤務。なかなか銀座へ足を運ぶこともなくなった。

 

ヤマハに来るのも久しぶりだなあと思いつつエスカレーターに乗ってみると、以前はCD売場だった2階が別の売場になっているようだ。

フロア表示では3階が楽譜とCDとされていたので、3階に上がってみた。

以前来た時とほぼ同様で、楽譜や音楽書がたくさん並んでいるが、その一角にCDが少しだけ置かれている棚があるだけで、CD売場という感じがない。

はて、とカウンターの女性に尋ねてみると、売場改修でCDはあそこにあるだけです、と言う。

 

そうだったのか。

改めてその小規模な棚を見てみると、CDはCDでも、吹奏楽や合唱、あるいは弦楽器や管楽器の器楽ものだけで、一般的なCDショップの、シンフォニーやコンチェルトが作曲家別に並んでいる、というものではない。

どうやら、実践的なジャンルのもののみを置いているようだ。

 

これでは我々の買物の目的に沿わないので、山野楽器本店に行ってみることにした。

 

山野楽器本店には久しく行っていない。

2019年8月にリニューアルした際に、それまで地下1階から2階まで3フロアに展開していたCDやDVDの売場を4階1フロアにまとめたと聞いた。

そのリニューアル以後、楽譜売場に行ったことはあるが、CDフロアには一度も行っていない。どんなに貧しい状態になってしまったんだろう、と思うとしのびなくて見たくなかったからだ。

(2014年に、それまで2階のフロア丸々を占めていたクラシック売場が、ジャズの売場に相当なスペースを明け渡したことがあった。あの時のショックは非常に大きかったが、JPOPや洋楽も含めてすべてが1フロアに押し込まれたとあっては、クラシックの縮小はその比ではなかろうと思われたのだ)

 

妻の買物という、思いがけない契機により、2年半近くを経て、遂に山野楽器の4階に足を踏み入れることになった。

さて、どんなあんばいであろうか。

 

エレベーターを下りてフロアに入ると、左手の一番奥のつきあたりに「クラシック」の文字が見えた。

おお、あそこか、と行ってみる。

何しろ直前にヤマハでもはやCD売場とさえ言えないCD棚を見たばかりなので、それとの比較で言えば立派なものに見えはした。

しかしまあ、これは錯覚である。私が知る直前の2階、既にジャズと共存していたあの時のクラシックの売場面積の記憶からすれば、10分の1くらいだろうか。

 

うーむ、ここまで変わり果てた状況に・・・。

 

ざっとフロアを見回す。全ジャンルの音源ソフト、映像ソフトを1フロアに集めれば、各ジャンル、これくらいになるよな、と思った。別にクラシックだけが縮小されたわけではないのだろう。

 

2018年4月に新浦安のMONAの中にあった山野楽器の店舗が閉店したことがある。あの店のCDコーナーよりは、今見るこの4階の方が広い。

しかし、何と言っても、ここは本店だよ。山野楽器の本店。

40年以上前、就職して東京で働き始め、レコードを買いに行くと言えば、まずは秋葉原石丸電気、そしてこの山野楽器本店だった。

石丸も山野も、どのフロアにもレコードが溢れるように陳列されていて、コレクターとしてはいつもぞくぞくする思いで店内を徘徊したものだ。

 

あの山野楽器本店のCD売場が。

 

まあ、時代の流れ。

つまり、現物のCDが店舗に陳列して売る商売にならなくなった、ということだ。

 

かく言う私自身、ここ何年も、CDを買う時はタワーレコードかHMVのサイトに注文している。会社の帰りにコンビニで引き取っている。

さらに、最近は時々配信ダウンロードで済ませることもある。

配信は確かに便利だ。思い立ったその時に、サイトを開いてポチッとクリックすれば、次の瞬間にその音楽を手元に保存して聴くことができる。現物をネット注文して届くのを待つのに比べれば、これほど迅速な買物もない。

(ただ現状の配信は、音だけで関連データが入手できない点が不満だ。ポップスの場合の歌詞や作詞者作曲者情報、演奏者情報など。これらが別の画像ファイルなどで手に入るようになったら、もっと利用すると思う)

 

先月、札幌に行った時に空き時間にタワーレコードに行ってみた。たまたま見つけたCDを2、3枚買ったのだが、「店舗でCDを買う」のがずいぶん久しぶりで、いつ以来か思い出せないと思ったものだ。

 

そんなふうだから、何のことはない。自分自身が片棒を担いだ結果だと言える。

 

大阪梅田のタワーレコードも近く閉店すると聞いた。大阪に行けば立ち寄っていた店の一つだ。在庫豊富な店だったので残念だが、店舗での販売が立ちゆかないということなのだろう。

来週からしばらく大阪への出張が続くので、一度はのぞいておきたいと思う。

 

それにしても、レコードからCDというメディアで音楽を売るという行為が、他の様々なビジネスと同様、インターネットの存在によって大きく変貌を余儀なくされていることを痛感する。

 

もっとも、今述べてきたのは、「現物としてのCDを店舗で販売する」ことについてだ。

「音楽」そのものは、まだまだ進化し発展していくものだと信じたいと思う。

 

※過去の関連記事

    いつの間に?~山野楽器本店のクラシック売場縮小の衝撃
       https://naokichivla.hatenablog.com/entry/64307644
    山野楽器新浦安店閉店
       https://naokichivla.hatenablog.com/entry/66040057
    久々に銀座山野楽器へ
       https://naokichivla.hatenablog.com/entry/2019/10/03/224951

 

<追記>

山野楽器のWebサイトを見ていたら、本店各フロアの動画が載っているのに気がついた。

4階の動画を貼っておきます。クラシックが10分の1になったというのは、ちょっと言い過ぎだったかな。

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