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68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

デュオの世界 《ピアノ》・デュオ

2月28日(月)、東京文化会館小ホールで行われたピアノ・デュオの演奏会を聴いてきた。

 

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●2022都民芸術フェスティバル参加公演 室内楽・シリーズNo.21 デュオの世界 《ピアノ》・デュオ

 

日 時 2022年2月28日(月) 18:00開場 19:00開演
会 場 東京文化会館小ホール
ピアノ ドゥオール(藤井隆史&白水芳枝) 寺田悦子&渡邉規久雄
曲 目 ドビュッシー=デュティユー 月の光
    ラヴェル=グリャズノフ 「ダフニスとクロエ」第2組曲
    バーンスタイン=マスト

      「ウェストサイドストーリー」よりシンフォニック・ダンス
      ※以上ドゥオール(藤井隆史&白水芳枝)
    ラヴェル 序奏とアレグロ
    ストラヴィンスキー バレエ音楽ペトルーシュカ
      ※以上寺田悦子&渡邉規久雄
    [アンコール] ドビュッシー 「小組曲」より「小舟にて」
      ※ドゥオール(藤井隆史&白水芳枝)、寺田悦子&渡邉規久雄

 

プログラム冊子から。

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毎年この時期に行われている「都民芸術フェスティバル」の「室内楽・シリーズ」の一環である。

今年は、「デュオの世界」というテーマらしく、1月にヴァイオリンとピアノの演奏会が行われている。

 


私の席はL列14番。ここのホールは、前の人の頭が気になることがないのが良い。

 

休憩前の前半は、藤井隆史さん、白水芳枝さんのユニット、「ドゥオール」の演奏。
下手側に藤井さん、上手側に白水さん。

 

最初はドビュッシーの「月の光」。この曲はポスターやフライヤーには載っていない。追加されたようだ。
デュティユーの編曲とのことだが、原曲を大きく変えるような編曲ではなかった。
曲が始まってしばらくは、原曲を2人で弾いているだけ、という感じに聞こえた。曲が進むにつれて、だんだん2人の奏者が弾く音楽が分かれていく。

 

続いてラヴェル
これは大変聴きごたえがあった。
「全員の踊り」は、普段オケ曲で聴いているよりは遅いテンポで、ピアノ・デュオという形式の良さを味わうことができた。
(編曲はグリャズノフという人。1982年生まれのピアニストだそうで、よく名前を耳にするグラズノフとは別人)
曲目を見たとき、ラヴェルなら「ラ・ヴァルス」が聴きたいな、という気持ちもあったが、この「ダフニス」には充分満足。

 

前半最後の「ウェストサイド」は、さらにすばらしかった。
やぱり曲がいいし、アレンジもいいと思った(1954年生まれのマストという人による編曲)。
奏者が足で床をタップしたり、ホイッスルを吹いたりしながらの演奏で、とても楽しかった。
普段オケで聴く「シンフォニック・ダンス」をピアノだけで聴くと、楽曲のジャジーな要素が前面に出てくる。

ホワイエで出演者によるCDが販売されていたが、このユニットによる「ウェストサイド」を収めたものがあったので、休憩時に買い求めた。

 

後半は、寺田悦子さん、渡邉規久雄さんの演奏。
譜めくりの人がついた(前半は演奏者が自分でめくっていた)。寺田さんには雛形あきこのような感じの若い女性、渡邉さんには羽生結弦選手のような感じの若い男性。
しかし、譜めくりストがしばしば立ったり座ったりするのは少々目ざわりなものだね。特に今回は2人だったからそれを感じた。

 

後半の2曲は、作曲者自身による編曲。

 

ラヴェルの序奏とアレグロが始まって、同じピアノなのに、響きが一段と豊かでよく鳴っているように感じられた。


ラヴェルファンの私だが、この曲はあまりなじみがない。
聴いていて、ドビュッシーの「小組曲」をちょっと思い出したりした。
この日は、通勤時に、ベートーヴェンの4番のピアノ・トリオを聴いたのだが、同じピアノという楽器に、ベートーヴェンが語らせたものと、ラヴェルのそれとではずいぶん違うことを改めて感じた。

 

最後は「ペトルーシュカ」。
ラヴェルでは下手側に渡邉さん、上手側に寺田さんだったが、この曲では入れ替わった。寺田さんが置き忘れたハンカチを渡邉さんが手渡し、客席から笑いが漏れた。
ペトルーシュカ」は楽しかった。「春の祭典」でなくこの曲だから、という楽しさがあった。

 

カーテンコールの間に、2台のピアノに椅子が増設され、4人のピアニストが登場。
ドビュッシーの「小組曲」の1曲目が演奏された。
アンコールにはとても良い選曲だと思った。

 

小ホールだからだろう、規制退場はなかった。
ホールを出ると、大ホールもちょうど終演したところらしく(東京都交響楽団)、出口までは図らずも密な状態になった。

 

楽しい演奏会だった。