昨5日(土)、マウントあさま管弦楽団の事務局Hさんからメールが入った。
6月に予定していたオーストリア公演の延期の連絡だった。3度目の延期である。
マウントあさま管弦楽団と、合唱団「フロイデ・コーア・ヨコハマ」とで行うこのオーストリア公演は、もともと2020年6月に行われる予定だった。
ウィーンとリンツを訪れ、ベートーヴェンのミサ・ソレムニスと、ブルックナーの7番を演奏することになっていた。
ウィーンではあの楽友協会ホール、リンツではザンクト・フローリアン修道院で演奏することができる。
まさに一生に一度あるかないかのチャンスである。
妻との海外旅行も兼ねて参加することを決めた。
事前練習もスケジュール通りに重ねていたところでの新型コロナウイルスの感染拡大。
2021年への1年延期が決まった。
これに伴い、演奏する曲目が、ブラームスのドイツ・レクイエムとブルックナーの9番に変更された。オケ、合唱団それぞれの国内での活動予定との関連による。
さすがに1年経てばコロナも治まっているだろう、と思っていたが、結果は違い、2021年の延期公演も再度1年延期となった。
その再度の延期公演の三たびの延期連絡であった。
メールでは、現状でのオーストリアへの入国条件、日本への入国(帰国)時の条件が書かれていた。
オーストリアへの入国については、3回目のワクチン接種から9ヶ月以内またはPCR陰性証明書(72時間以内)があれば可能。オーストリア国内での行動については、同様に3回目のワクチン接種から9ヶ月以内またはPCR陰性証明書(48時間以内)があれば可能。
日本帰国時は、ワクチン3回接種者は自主隔離なし(未接種者は7日間の自主隔離)。
これらの状況から、今年6月の公演については延期せざるを得ないとの指揮者の横島勝人先生からの所見が伝えられた。
延期日程は、また1年先ということでなく、今年の秋が提案されている。
10月23日(日)深夜もしくは24日(月)朝出発、31日(月)夕方帰国の日程である。
6月の公演を前提とした事前練習は5月(2回)、6月(1回)が設定されていたが、これは予定通り行い、9月に2回練習を追加するとのこと。
そもそも、妻との間では、2021年の1回目の延期公演に向けてどうするか、と検討していた頃から、コロナがよほど収束して元通りの状態にならない限り、海外に出かけることには慎重にならざるを得ない、と話していた。
2回目の今年6月に向けても同様だった。
旅行で不在の期間、会社を休む調整もたやすくはない上、帰国後の自主隔離などの規制があっては、実際問題難しいというのがまずあった。
仮にそのことがなくても、初めてのオーストリア、初めての海外での演奏旅行を、何よりまず心底楽しめない状況であれば、そもそも前向きになれない。
そのようなことから、今年6月の公演もまた延期される可能性を少なからず予想もしつつ、仮に予定通り行われる場合は、不参加とすることをだいぶ前から考えていた。
この間、6月の公演期間にからむ別イベントとして、昨年初めて参加したオーケストラ・モデルネ・東京の演奏会が入ってきた。本番自体は帰国後だが、練習が旅行期間中に2回設定されている。
それを承知で、モデルネには参加の仮エントリーをした。
さらに、小田(和正)さんのツアーという新たなイベントも発生。6~7月公演の参戦を検討した結果、新潟朱鷺メッセの公演の抽選を申し込んだが、実はこの日にはオーストリア公演の練習がある。
つまり、オーストリア公演への不参加は事実上決断していたところだった。
そこへの延期の連絡だったので、それらとの関連ではとりあえずほっとしたところがある。
3回目の延期日程である10月については、例年の業務日程からすると、A社(西新宿)の監査時期にあたり、長期に不在にすることは難しい。
監査日程を調整する余地がないわけではないが、結局のところ、そうまでして行く考えはない。1年先への延期ならともかく、4ヶ月ばかりの延期では、コロナの状況に大きな改善は見込めないと思うからだ。
ということで、今後、オケ、合唱とも、参加予定者には改めて意思確認があると思うが、不参加と回答する。
一生に一度の機会ではあるが、コロナの現状からすると、別に残念という気持ちはない。ケリがついてよかったという安堵の方が大きい。
結局、コロナが半年遅ければ行けていたが、そうでなかったという、タイミングの問題。縁がなかったということだ。
おそらく来年の元日、ニュー・イヤー・コンサートの中継を観ながら、あそこで演奏していたかもしれないんだよなー、と思うだろう。しかしそれは既に、公演が延期になった2021年、2022年の元日にも思っていたことだ。
それが今後も続くだけのことだ。
元気であれば、オケ仲間と演奏するチャンスは国内でいくらでもある。それだけで充分だ。