2月11日(金)、東京文化会館へ、東京二期会オペラ劇場の「フィガロの結婚」を聴きに行った。
前日、10日(木)は新潟へ出張。用務は当日済んだものの、関東地方は警報級の大雪になるとの予報だったため、新潟に宿泊し、帰京の新幹線を上野で下りて、文化会館へ行ったのだった。
新潟出張
https://naokichivla.hatenablog.com/entry/2022/02/12/195508
もともと、東京二期会では、この時期にR.シュトラウスの「影のない女」の公演を行う予定だった。めったにかからない演目でもあり、チケットを買い求めていたのだが、昨年12月下旬に、中止が発表された。新型コロナウイルスの水際対策強化に伴って、演出のペーター・コンヴィチュニー始め、指揮者、スタッフの来日のめどが立たないというのがその理由だった。大変残念に思った。
だが驚いたことに、代替公演として、この「フィガロの結婚」を上演することが、中止と同時に発表された。ソリストが交代するとかの話ではない。丸々一つのオペラ演目を差し替えるというのだから、さぞ大変な対応だっただろうと推測された。
宮本亞門氏の演出でもあり、せっかくなので行くことにしたのだった。シュトラウスのチケットは一旦払い戻して、改めてモーツァルトのチケットを買った。
●東京二期会オペラ劇場 フィガロの結婚
日 時 2022年2月11日(金) 13:00開場 14:00開演
会 場 東京文化会館大ホール
演 出 宮本亞門
指 揮 川瀬賢太郎
管弦楽 新日本フィルハーモニー交響楽団
「フィガロの結婚」は、宮本氏が2002年に初めて東京二期会のオペラ演出を手がけた時の演目なのだそうだ。
ソリストはすべて日本人のダブルキャスト。
私の席は2階1列24番。
プログラム冊子から。
新日本フィルがピットに入ってのオペラは珍しいように思う。中止になった「影のない女」も新日本フィルだった。
オケの編成は不明だが、コントラバスは3本見えた。
昨年9月に同じ東京二期会、同じ宮本氏演出で「魔笛」を観た。あの「魔笛」はずいぶん個性的な演出だったが、この「フィガロ・・・」はオーソドックスな感じだった。
折から北京オリンピックの期間中だったが、遠目に見るケルビーノが、フィギュアスケートの宇野昌磨選手に似て見えた。2幕で窓から飛び降りる場面では、オケピットに飛び込んだ。
その2幕だが、部屋が均一な升目模様に作られていて、人が隠れる衣裳部屋があらかじめはっきりわかる格好ではなかった。
1幕の終わりでは緞帳が下りず、少し間が空いただけだった。この間、客席の照明が少し明るくなった。
2幕が終わると緞帳が下りたが、カーテンコールはなし。
3幕の終わりも緞帳は下りず、暗転しただけですぐ4幕に入った。
出張帰りの午後、昨年2月に新国立劇場で観て以来の「フィガロ・・・」を楽しんだ。
モーツァルトの4大オペラの中で、メロディの美しさという点では、「フィガロ・・・」が一番ではないだろうか。
また、ストーリー、芝居の面白さという点では、「ドン・ジョヴァンニ」と一、二を争うと思った。
笑える点では一番かな。
ともかく楽しめた。
このオペラ、予定では今年の宇奈月モーツァルト音楽祭で演奏することになっている。2017年以来の再演となる。ただ、この音楽祭は2020年、2021年とコロナのために中止された。2022年はどうなるか、現時点では情報がない。
ただ、昨年から始まった東京公演は、今年の日時、会場とも既に決まっている。募集があれば是非参加するつもりだ。
東京だけであっても、このオペラを再度演奏するチャンスがあることを嬉しく思い、楽しみにしている。