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東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 第349回定期演奏会

2月19日(土)、東京オペラシティコンサートホールへ、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の演奏会を聴きに行った。

 

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東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 第349回定期演奏会
日 時 2022年2月19日(土) 13:00開場 14:00開演
会 場 東京オペラシティコンサートホール
指 揮 藤岡幸夫
チェロ 宮田 大
ソプラノ 小林沙羅
管弦楽 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
曲 目 ディーリアス(フェンビー編) 2つの水彩画
    吉松 隆 チェロ協奏曲「ケンタウルス・ユニット」
    [ソリストアンコール] 宮沢賢治(宮田大編曲) 星めぐりの歌
    ヴォーン=ウィリアムズ 田園交響曲(交響曲第3番)

 

めったに実演を聴けない曲ばかりなので、チケットを買い求めた。

 

入場する際、「出演者変更のお知らせ」の貼り紙が目に入った。同じものはプログラム冊子にも入っていた。
ヴォーン=ウィリアムズ(RVW)に出演する予定だったソプラノの半田美和子さんが体調不良のため、小林沙羅さんに交代するという内容だった。「昨日のリハーサル終了後に急な体調不良に見舞われ」とあるので、直前も直前、大変なことだったようだ。

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13:40から指揮者によるプレトークがあるとのことだったので、それに間に合うように入った。

 

私の席は、2階L1列29番。このホールで2階の左右に座ることはめったにないが、たまにはと思って買ってみたら、目の前の手すりが邪魔でステージ上がよく見えないのが難。コンチェルトではソリストに手すりがかぶった。

 

プログラム冊子から。

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藤岡さんのプレトークでは、まず吉松さんのチェロ協奏曲について説明があった。藤岡さんがシャンドスレーベルで吉松さんの2番のシンフォニーをBBCフィルとレコーディングした際、オケの楽員が曲中のチェロのソロを見事に弾き、吉松さんが是非コンチェルトを書きたい、と言って作曲されたのだそうだ。初演のソリストはその楽員が務めた。

今回の演奏会は、本来2020年に予定されていたものが延期されたが、2020年当時は、メインとして同じRVWのロンドン交響曲を演奏する予定だったとのこと。それを今回は、祈りの交響曲と言うべき田園交響曲に変更したとの話だった。ここに言う田園は、イギリスの田園風景でなく、RVWがバターワースと共に従軍していたフランスで見たものかもしれない、との話もあった。

ソリストの交代についても説明があった。前日のリハーサル後、半田さんが具合が悪くなり、歌えないという話になったのが21時半頃。急遽代役を探し、小林さんが受諾。小林さんはこの曲を歌ったことがないとのことで、22時にはピアニストのところへ行って練習を始めたのだそうだ。

 

指揮者が一旦引き上げ、オケ登場。ヴィオラは外配置。弦の譜面台はプルトに1台。マスクは原則着用のようだったが、例外あり。

弦の人数はヴァイオリンが見切れてわからなかったが、ヴィオラ以下は10・8・7だった。

 

最初のディーリアスは、学生時代から主にバレンボイムのレコードで長年親しんできた作品だが、実演で聴くのはこれが初めてだろうか。

 

弦各パートの表裏でそれぞれ違うことを弾いているように見えた。

 

演奏後、コンチェルトに備えての転換。ファーストヴァイオリンがはけるのはわかるが、ヴィオラまでいなくなったのは何故なんだろう。

 

さて、吉松コンチェルト。ソリストの前には譜面台が置いてある。藤原さんは、ディーリアスは指揮棒なしに演奏したが、以後は指揮棒を持たれた。

 

この曲、ディスクは持っているが、長く聴いたことがない。ほとんど初めて聴く感じだ。実演ではもちろん初めて。

 

大河ドラマのテーマ曲風に聴こえるところがあった。吉松さん、大河をやったことがあったか、と後で調べたら「平清盛」がそうだった。

 

3楽章あたりは、オケが結構でかい音になり、ソロが聞こえなくなることが少なくなかった。

 

吉松さんが来場しておられ、藤岡さんが客席を探すしぐさをされると、立ち上がって拍手に応えていた。

 

無伴奏のアンコール曲が演奏された。終演後のアンコールボードを見つけそこね、曲名がわからなかったが、オケの公式Twitterで情報を得た。この写真はそこから借用。

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休憩後は、RVWの田園交響曲。これもディスクは持っているが、ほぼなじみがない。実演で聴くのは初めて。

 

1楽章は、藤岡さんのプレトークでは暗いと言われていたが、暗くはないと思った。私が勝手に持っているRVWの音のイメージだ。コンマスのソロがある。「あげひばり」のテイストだ。ヴィオラのソロも少しあった。

 

2楽章は暗い。この楽章にもヴィオラのソロがあった。持続音を切り裂くようなトランペットが印象的だった。

 

3楽章は速い音楽。面白い。イギリス民謡組曲を思わせる部分があった。

 

4楽章は、全体に3拍子基調の音楽。ヴィオラの聴きどころが多い。ソプラノのソリストはいつステージに出てくるのかと思っていたら、いつの間にか2階席の上手側奥、オルガンの脇にいて、歌が聞こえてきて気がついた。一旦はけたが、後半にもう一度歌う時には、今度は同じ2階奥の下手側で歌った。

 

小林さんは、急な代役ということもあってか、大きな拍手を浴びていた。

 

良い演奏会だった。

 

プログラム冊子の今後の公演情報。

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同じオケ、同じ指揮者での3月17日(木)のシベリウス・プロのチケットを買ってあったのだが、これは結局聴きに行かなかった。

 

   珍しい飲み会ウィーク
      https://naokichivla.hatenablog.com/entry/2022/03/21/103804