naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

平林遼氏「合奏に参加する際の準備に関して」

指揮者の平林遼さんという方が、旧Twitterに「合奏に参加する際の準備に関して」という投稿をされているのを見た。

 

自分の心得のため、転載しておく。

 

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平林遼(指揮) @ryo_hirabayashi

 

【合奏に参加する際の準備に関して】

 

・楽曲の構造を把握すること。入りは絶対に間違ってはならないという気概で、初回合奏から(!)臨む。一番最初にクリアすること。正しく弾いても吹いても、演奏する場所(小節)が違ければ、全てが台無しになる。

これをするためには、曲をスコア・パート譜を見ながら、繰り返し音源を聴いて体に叩き込むこと。(段々要領を掴んでいけるようになると、全部が全部必死こかなくても必要ポイントが分かるようにもなる)。ガイドになるパートや指揮に注目するポイント、テンポの変化の可能性などを把握しておくこと。また合奏中は、人任せにせず、ちゃんと数えることも(が)大事。

 

・音源は複数種類聴いて、なるべく先入観を除き、いろんな可能性があることを知っておくことも大切。
テンポだけではなく、どういう奏法なのか、音色なのか、そうした表現の可能性に着目して、色んな音源を参照すること。

 

・合奏の中に、その時のメンバーで頼りになる人が居たり、それぞれの中心パートの人の癖などがあるので、そうした変動要素には都度、対応するしかない。
角が立たないように、建設的な議論が出来るような関係性を作れれば、幸せだ。(合奏中の問題を、全て指揮者が解決出来るわけではない)。

 

・結局、アンサンブルや指揮に注意しながら演奏するには、結構余裕が無いと無理です。(難しい箇所、演奏するだけで大変な箇所は、人間であれば、普通は走ったり、いろいろなことが起こりがちです)。

 

・アンサンブルをするのも、指揮を見るのも、実はかなり相当な熟練度が要る(楽器上達そのものと同じように)。経験がものを言うといったらそれまでだが、上手な人たちがどうしてるか、必死に観察して、試行錯誤していくこと(勘の良い人は別だが、普通はこうしたことも年数がかかる)。

 

・遅かろうが、速かろうが、時間の運び方は、各奏者が主体性を持って作ることが大事。アンサンブルを合わせる、指揮者の動きも把握するといっても、結局、受け身だと上手くいかない。能動的、且つ周りと調和していくこと。

 

・とりあえず音を並べることに注力して、音楽性は後回しというのは、本来順序が逆である。初めから、こういう音楽だろう、こういう音色だろう、という表現のところから作ること。逆に、アンサンブルなどは後から自然と合って来る、という順序で練習出来れば幸いなこと。

 

結論:音楽演奏の成功は準備が99%を占める。