20日(水)、市川市文化会館で行われた、千葉県少年少女オーケストラの公開リハーサルに出かけた。
31日(日)に東京芸術劇場で開催される定期演奏会に向けてのリハーサルである。
少年少女オーケストラの公開リハーサルには、昨年も行っている。この驚くべき水準のオーケストラはどんな練習をしているのか、と思ったからだった。
今回、重ねて出かけたのは、指揮が井上道義さんだからだ。今年いっぱいで引退される井上さんの指揮に接する機会は残り少ない。先日も新日本フィルのマーラーの3番を聴きに行った。その井上さんにとって縁の深い少年少女オーケストラのリハーサルは是非見ておきたい、と思ったのだった。
久しぶりの市川市文化会館へ。
街灯に、「完売御礼」の表示がついたコンサート案内。鈴木雅之さん、さだ(まさし)さん。
入場時に名前と連絡先を紙に記入。
注意書きの紙と、観覧エリアを示した座席表をもらった。
12時半過ぎ、観覧エリアの内、13列20番の席に座った。
ステージではオケメンバーが既に座ってさらっている。男女とも本番衣装らしき白黒。
ヴィオラは12人。
リハーサルは13時開始だが、下手側から、早々と井上さんが出てきた。客席に下りて、私の3列前、観覧エリアよりも前の10列20番に座られた。
ステージ上には音楽監督の佐治薫子先生の姿も見えた。
定刻より少し早く、リハーサルがスタートした。
「天体の音楽」を通し演奏した後、すぐにメンバー入れ替えが行われ、バッハの「シャコンヌ」。齋藤秀雄氏の編曲だから、井上さんにとっても思いの深い曲だろう。これも通した後、最後の和音の内、fisの音は演奏せず、aとeだけにするよう指示があった。fis抜きで試しに演奏したところで、井上さんが客席を向いて「違い、わかりますか」。
この後も、何度か客席に話しかける場面があった。
休憩の後、「運命」。これも全曲通した。終楽章はリピートなし。
毎回感嘆していることだが、弦の音がとにかくきれいだ。
さらにアンコール曲の練習。ここでは、舞台袖から子供たちがたくさん出てきて立ったまま暗譜で演奏に加わる。コロナ前は定番だった方式だ。
ここで再度休憩となった。
ここまでで、ヴァイオリンの音がずいぶん強く聞こえていたので、せっかくだからヴィオラ寄りの上手側に移ることにした。
16列の32番が空いていたので座ると、たまたま同じ列に元浦安シティオーケストラのヴァイオリンの団員だったYさんがおられ、声をかけて下さった。お子さんがチェロで参加しているのだそうだ。このオケで活動されているとは大したものだ。いずれ浦安シティオーケストラに入団してくれるといいが。
休憩後は返し練習。
コンミスが立ち上がると、音出しをしていたオケがすぐさま静まるのがすごい。浦安シティオーケストラではそれができない。
アンコール曲。
井上さんが、バスドラムが直立していて叩きにくそうなので、傾けられないか、と提案。工夫してやってみて、との指示にあれこれ試みているところへ、舞台袖から佐治先生が出てきて、山台上段の打楽器セクションまで上がって行かれた。音楽監督、すごい。やがてとりあえず何とかなった。
この曲では、曲締めのところでチェロも含めて全員が立奏となる。その練習もあった。
「天体の音楽」。
この曲に限らないが、井上さんの指示への対応がとても速い。
「○小節目から」「ヴァイオリンだけ」と言って、本当にすぐ振り始めるのだが、みんなついて行く。すごい。
井上さんが指揮をやめると、全員がぱっとやめるし。これもうちのオケではなかなかできないことだ。
管と弦のトレーナーの先生が何人かおられ、客席で聴いている。しばしば井上さんが振り向いて、聞こえ方やバランスを確認していた。
客席に向かって「指揮台の上は音が悪いんですよ。ここにいると自己満足になるんです」と話されていた。
「シャコンヌ」。
「楽譜にpと書いてあっても、俺がこうやったら(大きな動作)、どんどん吹け。楽譜は音楽じゃない」、と言われていたのが印象的だった。
後半、ヴィオラがDdurできれいなメロディを弾くところがある(練習記号Rから後?)。井上さんが弦のトレーナーに、「ここのヴィオラ、もっといい音が出てほしいんだけど、どうしたらいい?」と尋ねた。トレーナーからピッチの指摘があり、「そこで局面が変わるのに、準備が足りないかな」とも。やり直したらよくなった。
「運命」が残っていたが、16時過ぎ、公開リハーサルは終了した。
あの後、さらに練習したのだろうか。
31日、本番のチラシはこちら。
この日は、浦安シティオーケストラの練習日だが、欠席させてもらって、こちらを聴きに行く。