３月場所６日目

北桜と嘉風は熱戦だったが、嘉風の地力の不足を感じた。
上突っ張りの威力をもっとつけないと苦しい。

若の里は豊桜に勝つには勝ったが、終始受けにまわる展開。
こわごわとっている感じがあった。
昨日足を痛めたようだったがその影響か。

栃乃洋は十文字を下した。得意の左が生きた。先場所今場所と好調だ。

高見盛は豪風に一旦押し込まれたが、そこから電車道の反撃。
この人は、立ち合いに相手を止められれば強い。

他に幕内前半戦で目についたのは垣添、栃乃花、琴奨菊。

稀勢の里が普天王に変化相撲。感心しない。

出島が春日王にいい出足。今場所は好調だ。

時津海はどうも今場所は力が出ないようだ。安美錦に思い通りのうまい相撲をとられて、裾払いに転んだ。

期待の白鵬＝安馬戦は、いい相撲だった。
白鵬の今日立ち合いは、いきなりまわしをとりにいかず、かちあげからの突っ張りで安馬を中に入らせない作戦。
左四つに組んだところで、相手に一服する間を与えずすかさず投げた。
安馬の動きもよかったが、やはり地力の差としか言えない。
それにしても、今場所ここまでの白鵬、文句のつけようのない相撲だ。
朝青龍と当たるまで全勝を保ってもらいたいものだ。

琴光喜は、立ち合い左に動いて上手をとり、右四つに持ち込んだものの、そこから攻めあぐんだ。
玉乃島の方にも反撃の構えがなかったことで長くなったが、最後は琴光喜の寄りに軍配。
しかし、相変わらず琴光喜には、｢自分はこういう相撲で行くのだ｣という厳しさが見られない。
星は上がっているが、こういう相撲では、常時11番12番という訳にはいかない。

栃東は、岩木山のかちあげからの突き放しに後退したが、落ち着いて左からの突き落とし。
今日はまわしがとれない相撲になったが、危なげはなかった。

心配な魁皇、今日は決して今場所好調とは言えない黒海が相手だったが、左をのぞかせたものの、今日も右からの攻めが出ない。
出るには出たが、下半身が遅れていたため、黒海の引きに落ちた。
右からの攻めが出ないことが一番気になる。動きがバラバラだ。
２勝４敗。残り６勝３敗は、星勘定としてはきわめて厳しい。
何より、土俵上の姿に、闘志とか気力が見えない。
ここまでの星取は、81年１月場所、貴ノ花最後の場所と一緒だ。貴ノ花は２勝４敗で引退を表明した。
魁皇もそろそろ決断の時期だろうか・・・。

千代大海に土。
重い雅山を突ければ本物と思ったが、やはりそうはいかなかった。
星数ほど好調とは思えずに見てきたが、まあこの１敗もやむを得ないという感じだ。

昨日２敗の琴欧州、４勝２敗となるのか３勝３敗になるのかでは大違い。大事な相撲だったが、露鵬に快勝。
立ち合い露鵬が突き放しにきたが、すばやく左上手をとり、右下手を返して突きつけ気味に一気に出て決めた。上背が生きたかっこうだ。
相四つということでとりやすかったかもしれない。
ともかく今場所一番の相撲だった。

朝青龍は北勝力に相撲をとらせなかった。
立ち合いすばやくもろざし。これでは北勝力もどうにもならない。もっと立ち合い何か考えなければ勝機はない。
横綱は今日もまずまずだが、やはりひところの、スピード、瞬発力、筋力が表に見えないのが気になる。
手のつけられない強さ、当たるべからざる勢い、というのが感じられないのだ。
まあ、この横綱としては物足りない、という話であって、今場所の相撲自体に大きい難がある訳でもないのだが。

これで全勝は朝青龍と白鵬の２人。
相撲内容としては白鵬が上回っていると思う。両者星を落とさずに対戦してもらいたいものだ。