７月場所４日目

栃乃花が豊桜を下して初日から４連勝。今日も動きがよかった。
相手がよく見えている感じだ。

豊真将は、今日も低さが生きた。豪風に攻め勝ったが、この人の長所である体勢の低さは、この位置でとっている分にはともかく、これから上位をうかがっていくにはまだ充分とは言えない気がする。
右足を後ろに引いての体勢は、基本的に防御の型だ。これから上位に当たれば、自分から攻めていかなければならない。
この人の相撲の安定が、低い体勢を崩さないことにあるのは確かだが、豊真将ならではの攻めの武器を出していく必要がある。
この位置では先場所のようにケガがなければそれなりに星を残せそうなだけに、その先のことを期待したい。
それにしても、この力士はいい身体をしている。

栃乃洋は春日王と投げの打ち合いになって、初日。
しかし、両者の手突きは微妙で、軍配栃乃洋は妥当としても、物言いはつくべき一番。

高見盛が嘉風に勝ってやっと初日。
今日はすくうようにして、すぐ右が入ったのがよかった。

出島がこの人らしい出足。
普天王は攻められっぱなし。これからを期待される若手としては情けない。

黒海が立ち合い左への変化で北勝力をかわした。
この両者の取組であれば、まともな突き合いの攻防を見たかった。
どっちもどっちという相撲。

安馬が鋭い動きで初日。今日も立ち合いから突き押しで若の里を攻め立てていった。
横にまわれたのが勝因。贔屓としては、溜飲が下がる初白星。

把瑠都に土。白露山の変化にやられた。
白露山は、把瑠都に左上手をとらせないことに集中していたようだ。うまくとった。
把瑠都としては、上手がとれないまでも、接触して抱き込めないと力の出しようがない感じだ。
この身体があるのだから、立ち合いの突き押しを身につければ、更に幅が出ると思うが。
今日のところはまだまだ相撲が未熟という感じだ。

稀勢の里は、昨日の琴欧州戦でのいい相撲が嘘のような相撲。まったくいいところがなかった。
一方の琴光喜がよすぎた。頭で当たりながら踏み込み、得意の右四つ。左上手も速かった。
稀勢の里は初日の横綱戦同様、何もできなかった。昨日とは別人のようだ。波がありすぎる。
琴光喜も昨日とは全然違う相撲だ。
相撲の面白いところであり、わからないところだ。

魁皇に雅山は、魁皇の勝ち。
今場所は、魁皇は決してよくない。立ち合い突くでなし、組みに行くでない。まして得意の右上手をとりにいくそぶりはない。
今日も同様の立ち合い。踏み込みもなかった。
密着しきれずに、雅山の突きを食う形になった。雅山の突きはよかったのだが、魁皇得意のたぐりに泳いだ。
やはりまだ堅さがあるか。
魁皇の先行きもまだ楽観できない。

千代大海は旭天鵬を突ききれなかった。旭天鵬にとってはチャンスのある展開だったが、終始動き回った千代大海がまさった。

白鵬に露鵬は、相四つだけに、白鵬としても一応は安心してとれたか。
今場所初めて立ち合いに左上手がすんなりとれた。
あとは問題なし。
相手の上手の切り方、かいなの返し、寄っていっての腰の落とし方、万全だった。
気になったのは、時間いっぱいでの立ち合いが、仕切り線から後ろすぎなかったかということだ。

栃東がこの人らしい相撲で垣添を一蹴。
非常にいい相撲だった。前に出る圧力があるようだ。

心配な琴欧州は、今日は旭鷲山をよく見てさばいた。
はさみつけるように立っての攻めがスムーズだった。
相手との距離のとり方が非常によかった。
これで落ち着いてくるか。

朝青龍と琴奨菊は、楽しみに見たが、順当な結果。
琴奨菊はスピードがある人ではないので、なかなか難しいところもあると思っていたが、今日は立ち合いから横綱が左四つねらい。琴奨菊も多少抵抗はしたものの、対抗するまでにはとてもいかない。
上手をとれればまだ何とかなったかもしれないが、さすがに横綱がそれはさせない。
今日は右を使っての投げでしとめたが、まだわからないところがある。上手である分にはそう負担もないだろう。問題は、その右をおっつけられたり、左を差されて右からまわしに手が届かないような体勢になった時だ。そういう形を作れるのは、せいぜい栃東と白鵬くらいだろうが。