naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

驚喜の復刻~吉田正美&茶坊主「Tree of Life」

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18日(火)、会社帰りに銀座山野楽器へ。

 

さだ(まさし)さんの新作、「Mist」などを買うためだったが、この日、そのさださんのグレープ時代の相方、吉田正美(政美)の復刻アルバムも発売された。実は、こちらが一番のターゲットで、山野楽器に走ったのだった。

 

  ● Tree of Life
     吉田正美茶坊主(フィーチャリング菊池まみ)
     1976年作品

 

  ● My tune My turn
     吉田政美
     1980年作品

 

しかし、何と言うことだろう。これらのアルバムが、まさかCD復刻されるとは・・・。
だって、吉田さんは、今は会社勤めをしていて、現役の音楽活動はしていない。
また、ソロアーティストとして長く成功をおさめてきているさださんに比べ、正直、これらのアルバムは、発売当時も別に大ヒットした、というものではない。

 

本当に、まさか、という感じだ。
この情報は、mixiで得た。「吉田政美(吉田正美)」というコミュニティを見つけた。9月8日に設置されたばかりのコミュニティで、メンバーは私を含めてまだ6人しかいない。
そこに、彼の2枚のアルバムが復刻されるとの情報が載っていたのだ。
目を疑った。

 

そして発売日の18日、山野楽器に行った訳だが、実際、店頭に並んでいるのか、半信半疑だった。
しかし、五十音順の「よ」のところを見たら・・・ありましたっ!
両方とも6枚くらいずつあった。
驚喜して買い求めて帰ったのだった。

 

今回の復刻は、音楽ライターの金澤寿和という人が監修する「LightMellow'sChoice」というシリーズの一環としてで、このシリーズは、70~80年代の隠れた名盤の発掘・再発売などをしているのだそうだ。
金澤さんという方は寡聞にして存じ上げなかったが、よくぞこれらのアルバムに着眼して下さった。
ありがとう!

 

紙ジャケット仕様で、歌詞カードも当時のまま。

 

茶坊主のアルバムは、学生時代に聴きまくったもので、特に懐かしい。
茶坊主というバンド名は、解散前にグレープが「セイ!ヤング」をやっていた時、番組の中で「茶柱音頭」というのが自然発生的に生まれて盛り上がり、さださんが「解散後に吉田がバンドを作るなら、「吉田正美茶坊主」でどうだ」と冗談に言っていたのが発端(さださんでなく、リスナーのハガキだったかな)。本当にその名前をつけたんだ、とびっくりしたものだ。

 

76年の4月、グレープが解散し、大学3年の私は悲嘆に暮れていた。

 

  ※新聞のテレビ欄の「クレープ」という字をグレープと誤認した過去記事
     https://naokichivla.hatenablog.com/entry/49313852
 
しかし、結果として、同じ年の秋に、さださんも吉田さんも、ソロ活動の第1作アルバムをリリースしたのだった。
今から思うと、アルバム制作期間を考えれば、解散後結構早く準備に着手していたことになる。さださんが慢性肝炎とアレルギー性鼻炎の療養に専念するのが、解散の理由に挙げられていたのだが・・・。
11月25日にさださんが「帰去来」、12月(購入日からするとたぶん21日)に吉田さんが「Tree of Life」を発表。
私はいずれも国立の「アポロ」で買った。

 

さて、今回の復刻盤、早速、ウォークマンに取り込んで、通勤の際に聴いた。
家でアナログ盤をまわすということは、絶えて久しいので、たぶんこれらのアルバムを聴くのは、独身時代以来、20年以上ぶりのことだろう。

 

しかし、聴きまくったアルバムというのは、私の中にしみこんでいるのだと改めて思わされた。
最初の曲の最初の音を聴いた瞬間に、ああ、そうだ、こういうアルバムだった、とすべて思い出した感覚があった。

 

決して古めかしい感じはない。今の時代にも通用する音楽だと思った。
菊池まみのヴォーカルは、今聴いても本当に魅力的だ。
尚、さださんも、ヴァイオリンやコーラスで参加している。クラフトもコーラスで参加。
デビューしたばかりの矢野顕子が作品を提供し、コーラスで参加している。「カラランカラタケ知っている」という曲だが、これは、矢野顕子本人は、「カタルンカララン」という曲名で、78年発表のアルバム「ト・キ・メ・キ」に収録している。今回封入されていた解説で初めて知ったが、菊池まみと矢野顕子は大学の同級生だったそうだ。

 

さて、もう1枚の「My tune My turn」は、茶坊主の活動が聞かれなくなってしまった80年に、私にとっては、唐突にリリースされたアルバム。
こちらは吉田政美の個人名義だ。

 

音楽のテイストは前作とはやや異なり、リゾート系の良質なAORという感じになっている。
正直、このアルバムは前作ほどにたびたび聴いた訳ではないが、今回改めて聴いて、やはり懐かしかった。
このアルバムは、参加アーティストがすごくて、後藤次利高水健司矢野顕子林立夫村上秀一斉藤ノブ浜口茂外也といった、錚々たる顔ぶれである。
さださんは本作には参加していない。

 

吉田さんは、会社勤めのかたわら、さださんのステージに時々参加して、グレープとしての演奏を聴かせてくれる。
最近出たさださんのライブDVD「母を讃えるコンサート」でも、グレープを見ることができる。MCの中で、さださんが、「吉田、お前いつ定年になるんだよ。定年になったら、また一緒にやろう」というようなことを話していた。
バンド、グループの解散の仕方はそれぞれだが、グレープの場合は、解散して30年余り、こうして時にライブで復活し、一度だけだがアルバムも出し、という関係が続いている。
本当に吉田さんの定年後(あと5、6年か?)にグレープが本格復活したら、と考えると、何だか楽しい。