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68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

グレープ~みずみずしい独自の世界

今月に入って、ちょっと気が向いて、グレープのアルバムをウォークマンで聴いてきた。

 

   わすれもの

 

   せせらぎ

 

   コミュニケーション

 

   三年坂

 

グレープの活動は、約3年。

 

その後、さだ(まさし)さんは、ソロとして40年以上活動しているわけだが、改めて聴き直してみると、グレープの音楽にはやはり特別なものがあると思う。

 

若書きのみずみずしさ。

 

完成度はまだ必ずしも高くはないが、若書きならではの得難い魅力。

 

解散後、半年後に発表されたソロとしての第1作、「帰去来」になると、早くも既に大家の雰囲気があり、完成度が大幅に違うと感じる。

 

グレープを聴いていた時代、19歳、20歳だった自分を思い出す。このことも、グレープの音楽に特別なものを感じる理由かもしれない。自分自身の青春の思い出、という側面だ。

 

それにしても、今さら言うことではないが、グレープの楽曲は暗いものが多いね(笑)。

 

「雪の朝」、「精霊流し」、「紫陽花の詩」、「ほおずき」、「掌」、「縁切寺」、「無縁坂」・・・。

 

この時代のフォーク・ソング、他のソロシンガーやユニットも、同じような感じの暗い曲が多く、時の聴衆にそういう嗜好ないしは需要があったのだと思う。かぐや姫とかもそうだし。

 

でも、その中でも、これだけ並ぶとグレープの暗さはきわだってるな。

 

さだまさしという人が、暗い曲を書くだけの人でないことは、その後のソロ活動をフォローしていればわかることだ。コミカルな曲もあれば、ファンキーな曲もある。「修二会」のように、暗いとだけ評することを許さない強い力を持った曲もある。

 

だが、グレープの3年間だけを切り取ってみた時、「朝刊」みたいな曲は少し浮いて見える。

 

グレープ解散は、さださんの病気療養が直接の事情とされているが、売れるにつけできあがってきた「グレープのイメージ」が、本人たちに違和感のあるものだったからではないかと思う。

 

私は、グレープのライブにはそう多く接していないからよくわからないが、「せせらぎ」に収録されている「ラウドネス」や、「三年坂」での「Question」、「第一印象」、「バンコ」といったインストゥルメンタル曲を聴くと、彼らとしては、もっと違った音楽もやっていたのではないか、と思う。

 

一方で「掌」を歌うかたわら、そうした別の領域も追求したかったのが、できなくなり、何かの限界を感じたという面もあったのでは? と思う。

 

そうしたことはさておき、「グレープの音楽」が、エヴァーグリーンとして、その後の「さだまさしの音楽」とは異なる、独自の価値を持っていることを、改めて実感した。

 

それにしても、吉田(正美)さんのギターあってこそのグレープであることを、これも改めて痛感する。ほんとに奇跡のユニットだよなー、グレープ。

 

鈴木(康博)さんあってのオフコースと同じだ。

 

※過去の関連記事
    76年4月グレープの解散
       https://naokichivla.hatenablog.com/entry/54390598
    さだ(まさし)さん誕生日~グレープのこと
       https://naokichivla.hatenablog.com/entry/65712037