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68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

30年余りを経て~戸田恵子「Actress」

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さだまさし吉田正美(政美)のアルバムを買った18日(火)、もう1枚、素敵なアルバムを手に入れた。

戸田恵子「Actress」である。

戸田恵子
彼女が、NHKの「中学生日記」(「中学生群像」?)に、セーラー服を着て「戸田恵子」の名前で出演していたのを、おぼえている。

74年に、「あゆ朱美」の芸名で、歌手デビューした時には、ああ、あの戸田恵子が、と思った。
しかし、歌手としては成功せず、私の視野からは一旦消えた。

その後、声優としての活躍は、何となく知っていたような、知らなかったような・・・。

そして、10年ほど前から、ドラマに出演するようになった「戸田恵子」は、すっかり痩せた、妙齢の女性になっており、実は最初の内、あの中学生日記戸田恵子あゆ朱美とは、別の人だと思っていた。
しかし同じ人だったのだ。

以後、三谷幸喜作品を中心に活躍、私にとっては、今では、同世代(彼女は私より2歳下)の女優さんの中では、特に好きな一人だ。凜とした感じが好き。それと声が。
古畑任三郎vsSMAP、HR、お水の花道ショムニちゅらさん・・・。みんなよかったなあ。

さて、50歳を迎える戸田恵子が、歌手として本格的なアルバムを出す、と聴いた。
それが本作だ。

ファンとしては、当然買わねばなるまい。

ということで買ってきて、吉田正美(政美)のアルバム2枚の後、聴いてみた。

・・・よかったなあ。

やっぱり、この人、声がとってもきれいだよね。芝居で話す声より、ちょっと高めで輝いた感じ。

聴き始めて2曲目。
・・・???
これ、グレープの「ひとり占い」じゃないの。

そうだよ、「僕はいつものミルクティー、君もいつものチョコレートパフェ」・・・。
何で?
グレープの歌としても、決してメジャーじゃないこの曲を、何でアルバムに入れたんだろう。

調べてみました。

忘れていたけど、あゆ朱美時代に出したシングル4枚の最後が、「ひとり占い」。そうか、そう言えば、あゆ朱美がグレープをカバーした、って話題になったような記憶も・・・。
要するに、これは戸田恵子としてのセルフカバーなのだ。でも、あゆ朱美時代の曲からこれを選んでくれたのが、何か嬉しい。
ちなみに、グレープとしての「ひとり占い」は、74年8月発売のファーストアルバム「わすれもの」に収録。74年10月発売のシングル「追伸」のB面でもある。

その次に入っている、「のっこのわがままブギ」、これが最高に楽しい。
もとは三谷幸喜監督の映画「ラヂオの時間」の中に、題名だけ登場した「わがままブギ」を、改めて、三谷幸喜がきちんと作詞し、彼が「ブギと言えばこの人に書いてもらうしかない」と、宇崎竜堂に作曲を依頼して、楽曲化したそうだ。朝日新聞の夕刊に連載されている「三谷幸喜のありふれた生活」で読んだ。

ボーナストラックを含めて全10曲。既に2回聴いたが、何度も聴きたい、飽きない、そんなアルバムだ。
楽しみに繰り返し聴きたい。

リリースにあたってのインタビューなどによると、戸田恵子は、30年以上前の、アイドル歌手としての挫折が気持ちの中に残っていて、50歳を機に取り組んだ歌手への再挑戦は、「忘れ物を取りに帰る」ようなものなのだそうだ。
1回限りの企画ものでなく、ここからスタートするつもりで、真剣勝負、本格的な歌手活動をしていきたい意向だと言う。

私は、自分が50年以上生きてきて、歌謡曲から日本のポップスを40年以上聴いてきて、その「時間の長さ」について、色々思うことがある。
小田(和正)さんやさだ(まさし)さん、あるいはサザンやユーミンのように、長い期間、第一線で活躍し続けることの難しさと素晴らしさ。
前の記事で書いた、吉田さんのように、グレープというユニットは解散しても、折々にさださんとの関わりを続け、今の勤務が定年になったらまた、という話が冗談半分にでも出る、そんな活動のあり方。
そして、この戸田さんのように、声優女優としては大成功した人が、30年以上前の挫折に、今から再挑戦していくという決意。

この戸田恵子の「Actress」からは、確かに彼女のそうした思いが聞こえてくる。
それが一番の魅力であるような気がする。

ところで。

山野楽器でこのアルバムを買ったら、写真のようなイベントの入場券をくれた。
戸田恵子トーク&ミニライヴ」!
しかも、サイン会もあって、アルバムジャケットを持ってくるようにと書いてある。

わ~~~~~~、「生」戸田恵子を見られる!!!!!
(そう言えば、昔、同じ山野楽器で石川ひとみの握手会に行ったことがあったな)

・・・と思ったら、この日は出張。絶対にこの時間には山野楽器に行けないのだった。
涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙泣泣泣泣泣泣泣泣ーーーーーーーーーー。

あ~~~~~~、何ということだ。