naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

3月場所14日目

鶴竜琴欧洲を腰に乗せた下手投げで豪快に下し、優勝争い単独トップを守った。

今場所13勝目で、3場所通算33勝に乗せた。
協会幹部からは、前日時点で既に当確発言もあったし、史上初の6大関(把瑠都が昇進失敗したからね)時代の到来となる。

今場所の鶴竜は、相撲の安定感、力強さが際だっている。稀勢の里の昇進直前場所とは、内容的に雲泥の差があると思う。

まあ、鶴竜が来場所以降、毎場所このような相撲をとることは難しいかもしれないし、今場所を別にすると、下に対するとりこぼしが目立つのが心配だが、何とか安定感のある大関になってもらいたい。

1敗で追う白鵬だが、今一つの内容のままここまできてしまった。
特に失望したのは、稀勢の里戦。
あの大事な相撲で、どうして右を差しにいったのか。左からおっつけられることはわかっているはずなのに。
苦手意識云々もあるだろうが、それよりもこのところの白鵬には、何か気力、精神力の面で、かつての63連勝の時の反動がきているように思う。
朝青龍引退後、一人横綱として、不祥事の続く角界を背負ってきた疲労、被災地訪問の疲労を、本人も隠さないようだ。
それでも2敗で二番手なのだから、横綱として極度の不成績とは言えないものの、2場所続けて優勝争いで先行を許す展開は、この稀有な横綱が、並の横綱になってしまったような印象を受ける。

その優勝争いだが、中日から7連勝と波に乗る豪栄道をぶつけられた鶴竜が、それでも決定戦には至らずにすんなり優勝を決める可能性が一番高いように思う。

しかし、もし決定戦になれば、本割りで負けている白鵬が、ここ一番の気力を出してくるかもしれない。

今日の朝日新聞の朝刊に、2000年以降の大関昇進力士12人の直前3場所成績の表が載っていたが、直前3場所で優勝している力士は、武双山魁皇だけと思いの他少ない。
しかも二人とも2場所前だ。
前場所で優勝して昇進した大関はいない。鶴竜はどうだろう。

いずれにしても楽しみな千秋楽だ。

把瑠都が遂に4敗を数え、これで今場所の5大関は全員が物足りない成績となった。
まあ、5人もいれば(来場所は6人だし)、全員が2ケタ勝つのは計算上も難しいわけだが、それでも常に誰か1人か2人は千秋楽まで優勝にからむようであってほしい、というのは月並みか。
そういう大関がいれば、新横綱がとうに生まれているはずだが。

豊ノ島豊真将豪栄道が2ケタ。実績のある人たちだけに当然とも言える。
それより、成績は別にして、妙義龍、松鳳山、高安、雅山、翔天狼あたりが、それぞれの個性を発揮した相撲をとってくれているのが嬉しい。

顔や体つきがかつての益荒雄を彷彿とさせる勢も、時にいい相撲を見せてくれた。一旦十両に落ちるが、早く戻ってきてほしい。

今場所は、平幕同士の対戦にも攻防のある熱戦が多く、概して相撲内容が良いと思う。

三賞は、鶴竜の殊勲、技能は確実だと思う。今場所の鶴竜なら、3つ全部でもいいのではないか。豊ノ島豊真将豪栄道は、常連でもあり、さらに星を上積みした場合という条件がつくかもしれない。