naokichiオムニバス

66歳会社員。ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

3月場所千秋楽

千秋楽の土俵は、序二段が9人での決定戦、他に三段目と十両も決定戦だったことがあってか、進行が押した。
そのため、幕内の取組は進行を急いだ。次の控え力士が花道を入ってくる時に、最後の塩、という場面が続いた。次の控え力士は、辛うじて土俵上の両力士が最後の仕切りに入るまでには座ることができたようだが、やはりこれはまずいと思う。

雅山がついに引退表明。既に幕下陥落が決定的になっていたので、やはりそうか、と受け止めた。
大関在位は短かったが、その後も健闘し、特に平成18年には、新大関白鵬と優勝決定戦を演じるなど、大関復帰にあと一歩まで迫ったこともあった。
最近は、さすがに力が落ちたという感があったが、いつも真摯な相撲ぶりだった。最後となった今日の一番も、必死の相撲での白星。
お疲れさまでした。

今場所、幕内でのベテランでは、若の里常幸龍を上手投げで破って9勝。まだ健在ぶりを見せたが、旭天鵬に敗れて千秋楽負け越し。
旭天鵬の方は、やや陰りが見えてきたか、という気がする。

隠岐の海妙義龍は、序盤は妙義龍らしい低い攻めが出たものの、隠岐の海も今場所好調なだけに、左を差して残った。そして先に上手をとって出た。
11勝で敢闘賞。優勝争いに顔を出したし、地力がついてきたように思うが、八角部屋の力士なのに稽古嫌いなのだそうだ。
北の富士さんに言わせると、この人が豪栄道くらい稽古したら横綱もの、稀勢の里より上かもしれないとのこと。もったいない。
いずれにせよ、新三役が期待される来場所を見よう。

安美錦がこの人らしい相撲。魁聖の顔の下にもぐり、機を見て左からの出し投げで後ろについた。
この力士は、こうしたうまさだけでなく、突き押しの強さもあるし、相撲の幅が広い。
安美錦がいなくなったら、さぞさみしいことだろう。
今場所は、横綱大関を食えなかったので、7勝8敗と惜しくも負け越し、三役を保てなかったが、まだまだがんばってほしい。

栃煌山と、勝てば殊勲賞の豊ノ島は、豊ノ島にいいところなく、栃煌山が押し倒した。
豊ノ島は、三賞を逃し、7勝8敗と勝ち越しも逸した。
一方の栃煌山は2ケタの10勝目。4大関を総なめにする活躍だったが、今は大関に勝っても値打ちがないということか、殊勲賞はもらえず。
栃煌山は、以前の番付編成なら来場所は張出関脇だったが、小結留め置きだろう。

豪栄道松鳳山をはたいて、こちらも2ケタに乗せた。7勝7敗の松鳳山は、豊ノ島同様、惜しくも負け越し。
豪栄道栃煌山とも、三役に定着してきたが、まだ大関を云々するのは早いと思う。2人を比較すると、豪栄道の方がやや相撲内容の面で見劣る気がする。

琴奨菊把瑠都は、立ち会いすぐに左四つ。琴奨菊の右は今日もかかえるだけで前に出られない。把瑠都は右上手をとり、ふりまわしての上手投げで決めた。
立ち会い組んだ時点で、これは把瑠都、と感じた通りの展開。
前にも書いたが、琴奨菊は、膝や腰に故障があって、大関昇進前の左四つからがぶる相撲がとれないようなら、左前まわしをとる右四つの相撲に切り替えるべきだ。今場所、左四つになった場合の琴奨菊には、いい相撲がなかった。
大関が3場所連続の8勝7敗では・・・。
一方の把瑠都も9勝止まり。琴奨菊の相撲がよくなかったから、こういう雑な相撲でも勝てたが、まだ大関復帰を期待できる内容ではない。

稀勢の里鶴竜は、稀勢の里が左からおっつけ、右から突いて一方的に押し出した。
稀勢の里は2ケタを確保。これで6場所連続の2ケタだが、いまだ優勝はなく、大関としての責任を果たしているとは言えない。第一、この6場所の成績は、11勝の後、5場所連続の10勝だが、これが関脇での星だったら、3場所合計33勝に届かず、大関に上がれないのだ。
一方の鶴竜はもっとひどい。大関昇進後、6場所が経ったが、この間、2ケタ勝ったのは1場所だけだ。
つまり、今の大関は、関脇で3場所合計33勝を何とかクリアして昇進しても、そのレベルの成績を維持できていない。大関昇進に値する成績が続かない状況だ。
特に今場所の鶴竜は、この人らしいねばりもしぶとさもなく、自分の相撲を見失っているように見える。心配だ。
この状況を見れば、豪栄道栃煌山に、次の大関などとは安易に言うべきでないと思う。

今日の千秋楽、注目は、白鵬が史上最多となる9回目の全勝優勝を達成するかの一点しかないと言って過言でない状況。しかも、対戦相手の日馬富士の昨日あたりの相撲を観れば、全勝阻止の期待はほとんど持てないと思われた。
しかし、実際の相撲は、日馬富士が気力をふりしぼって、力相撲に持ち込んだ。
立ち会い先手をとって突き起こして左四つ。先に両まわしをとって、白鵬に上手を与えない体勢を作った。
しかし、今場所の日馬富士では、そこから攻めきるところまではいかなかった。
西土俵に寄り立てたが、白鵬が下手投げを打って残す。
引き続き白鵬は左半身の不利な体勢。日馬富士が好調なら、休まず攻めただろうが、動きが止まった。
そこから白鵬が相手の左下手を切ったのが、展開の分かれ目。さらに動いて左下手からの投げを打ち、すばやいまきかえで右四つがっぷりに持ち込んだ。このへんはさすが。
がっぷり四つでは、日馬富士も対抗できない。白鵬が白房下に横吊りで運んで、左からの上手投げで全勝を決めた。あの63連勝当時以来、久しぶりのことだ。

さて、この3月場所、つまらぬ場所だったという他はない。
日馬富士が序盤で連敗したこともあるが、ここでも再度大関のことを言わねばならない。
序盤から大関が揃って次々に星を落としていては、いやでも白鵬の独走になってしまう。
優勝争いにおける対抗馬不在のまま、終盤には、白鵬の優勝決定を遅らせる期待が平幕の隠岐の海に寄せられる、という状況は、誠に目を覆う。

そんな中で全勝優勝を果たした白鵬は、全勝優勝回数が史上単独1位となった他、優勝回数も北の湖の24回に並び、上には大鵬千代の富士朝青龍のみとなった。その朝青龍の25回は手の届くところにきた。13日目の優勝決定も、優勝決定戦制度導入後の15日制としては、千代の富士と並んで史上1位の4回目。37場所連続2ケタ白星は、北の湖と並んで史上1位。さらに、幕内勝率が、大鵬を抜いて1位になった。
ご同慶の至りではあるが、私には、ここのところの白鵬の相撲は、NHKの放送で誰もが口を極めて絶賛するほどの完璧さはないと思う。
特に今場所気になったのは、白鵬が投げて勝とうとし過ぎることだ。すばやくいい形になっても、前に出て勝とうとせず投げで決めたがっているように見える。
投げは打ち返し(実際、豪栄道戦では危ない場面もあった)もあるわけで、古来の日本の四つ相撲の考え方からすると、自分充分の体勢を作ったら、寄りあるいは吊りで勝負をつけるのが理想だと思う。
そのへんの価値観というか考え方が、白鵬は違うのかもしれない。
また、四つでなく、動きの中でさばいて勝つ相撲も相変わらず目立つ。
白鵬本人は、臨機応変な相撲をとれることをよしとしているようだが、投げにこだわることと併せて、私には、白鵬にどこか相手を見下しているところがあるように思えるのだ。
強者であっても、相手に敬意を払い、警戒しながら、常に自分のベストの相撲をとることが望まれると思うのだが・・・。

もう一人の横綱日馬富士。9勝6敗に終わった。
ここ1年の成績は、8勝、全勝、全勝、9勝、全勝、9勝。
優勝する時は全勝で、そうでなければ2ケタも勝てない、という状況をどうとらえるべきなのか。
単なる好不調なのか、それともそもそも横綱としての力がないのか、いまだ判断しかねるところがある。力がなければ全勝はできないわけだから、それを1年で3回もやっている以上、実力者のはずなのだが。
身体が小さいから、伝えられる足首痛など、何か一つでも故障が出ると苦しいのは確かだろう。
今場所の相撲を観ていると、終始どこかかみあわないままだったように思う。立ち会いからの流れがしっくりしない相撲ばかりだった。低く当たって突き起こし、前に出る本来の相撲が観られず、前に出ても引き技を食う相撲が多かった。
場所が進むにつれて精神的にも苦しくなっただろうし、千秋楽に多少の意地は見せたものの、いいところのなかった場所だった。
これでまた横審の批判は免れないだろう。来場所の相撲が注目される。

三賞は、技能賞なし。殊勲賞は豊ノ島、敢闘賞は隠岐の海が、勝てば、という条件つきだった。隠岐の海が勝ったからよかったが、場合によっては、三賞受賞者なし、という初めての事態もありえた。思い切った選考をしたものだ。

番付予想。

三役と平幕の入れ替えは、安美錦隠岐の海。東7枚目で11勝の隠岐の海と、半枚上、西6枚目で10勝の北太樹とどちらかは微妙だが、敢闘賞の付加価値もあって隠岐の海か。

幕内から十両への陥落は、玉鷲、栃乃若、磋牙司、双大竜、大岩戸。
幕内への昇進は、旭秀鵬、大喜鵬、千代鳳、誉富士、東龍。

十両から幕下への陥落は、芳東、寶智山、千昇と引退の雅山
十両への昇進は、北磻磨、千代嵐(木更津出身の久しぶりの関取!)、千代皇、亀井。
東筆頭で全休の豊真将は、幕下陥落も覚悟する必要があるが、上がる力士がいない。西3枚目で4勝3敗の青狼を昇進させてまで落とすかどうか。

※関連の過去記事
    全勝優勝率
       http://blogs.yahoo.co.jp/naokichivla/61462219.html
    2010年8月の記事だ。
    この時の白鵬の「全勝優勝率」は、46.7%。
    今場所終了時点では、24回中9回だから、37.5%まで下がっている。
    ちなみに、日馬富士の場合、5回の優勝の内訳は、全勝が3回で、全勝優勝率は60.0%。
    それ以外の2回の優勝も、14勝1敗なので、優勝場所の成績は73勝2敗。勝率97.3%。
    優勝する時は強いんだよねー、日馬富士。