朝日新聞千葉地方版「俳壇」に掲載された、父の俳句、1992年~1994年分。
選者:小出萩光
1992年10月29日 佳作
冷やかによぎる風あり展望台
1993年2月4日 特選
憂きことを集めて霙降り続く
【評】霙は言うまでもなく、雨と雪が同時に降る現象で、
雨ともなく雪ともなく、薄白く迅い線を引いて降
る。雪よりも寧ろ暗く寒い感じを伴うのを、憂き
ことに見立てて、心象風景に転じた所が出色。
雨ともなく雪ともなく、薄白く迅い線を引いて降
る。雪よりも寧ろ暗く寒い感じを伴うのを、憂き
ことに見立てて、心象風景に転じた所が出色。
1993年5月27日 佳作
卯浪寄す干潟を鴉歩きけり
1993年7月8日 佳作
心太するりと逃げしひとに似て
1994年4月21日 佳作
桜餅の香に気付きしや子の位牌
1994年6月9日 佳作
でで虫よこれでいいのか定年後
【選後感】「蝸牛」には、どこか人間の生きざまに喩え易
い一面があって、その寓意性を楽しめる作が
少なくなかった。例えば・・・(として、父他の作者
名を列挙)。
い一面があって、その寓意性を楽しめる作が
少なくなかった。例えば・・・(として、父他の作者
名を列挙)。