naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

日本フィル定期演奏会~オール・シベリウス・プログラム

昨26日(金)、会社帰りにサントリーホールへ。

間に合う時間に出られれば行きたいと思っていたが、幸い出られた。
当日券窓口でチケットを購入。

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日 時 2013年4月26日(金) 19:00開演
会 場 サントリーホール
指 揮 ピエタリ・インキネン
管弦楽 日本フィルハーモニー交響楽団
曲 目 シベリウス 交響曲第3番ハ長調
     シベリウス 交響曲第6番ニ短調
     シベリウス 交響曲第7番ハ長調
     (アンコールなし)

この春、日フィルは、ピエタリ・インキネンのシベリウス・チクルスとして、交響曲全曲演奏を行った。
3月には、1番と5番。4月は前週に、4番と2番。
もちろんいずれも行きたかったのだが、諸事情で行けなかった。

最終回の今回が、一番魅力的なプログラムなので、何とか、と思っていたのだ。

購入したA席チケットは、2階LD3列11番。
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プログラムをめくっていると、法人会員のリストに、親会社や同業の名前が。
うちの会社も、少しはメセナに目を向けないとなあ。

インキネンという指揮者のことは知らなかったが、1980年生まれ(若い!)で、名前から推測された通りフィンランド出身。
NAXOSレーベルに、ニュージーランド交響楽団を指揮してのシベリウス交響曲全集を既に録音している。

オケは3曲とも16型の大編成だった。

最初は3番。
いい曲だと改めて思った。いかにもシベリウス、という独特のテイストがある。

ここで休憩。

今回、6番と7番は続けて演奏する旨、予めインフォメーションされていた。

6番。
いかにもシベリウス、というテイスト、と上に書いたが、実は、シベリウスのテイストと言っても一筋縄ではいかないものがあって、この6番は、3番とはまた違った意味の「いかにもシベリウス」テイストがある。

何というのか、俗世を離れた幽玄な感じ、水墨画を見ているような感じが私にはする。

3番、6番に共通するのは疾走感だが、とりわけ6番の方は、天空を駆けるような感じが何とも言えない。

2楽章では、夜空に光る星を見るような気がする。

予告通り、4楽章が消えるように終わった後、ティンパニが静かに打ち込まれて、アタッカの形で7番が始まった。

7番は、浦安オケで昨年11月に演奏しているので、他の2曲よりも知っている。

練習記号A’の、ヴィオラから始まる弦楽合奏は、やはり神の音楽だ。
そして、その後の雲海(あるいは大海)を連想するゆったりとした響きの中に立ち現れるトロンボーンのソロも、神の声。

それにしても何という音楽なんだろう、と思う。

これを実際に弾けた幸せを、改めて実感した。

ただ、この日の演奏、少し渋すぎたか。

最後のCの音が消えた後、拍手までにしばらく間があったのは、とてもよかった。
(我々の昨年の演奏の時も、拍手がすぐ出なかったが、あれは何か「なじみのない曲へのとまどい」みたいな空気があった)

アンコールはなかった。

6番、7番の後に「フィンランディア」とかやられたらちょっとまずいな、とか思っていたのだが、ティンパニ以外の打楽器が見えなかったので、それはない。
「アンダンテ・フェスティーヴォ」をやってくれたら、と期待したが、それもなかった。

でも、アンコールなしでよかったと思う。そんな演奏会だった。

終演後、ウォークマンで4番と5番を聴きながら帰った。

再度、それにしても。
シベリウスの3番から7番のシンフォニーは、やはり得難い魅力がある。
ブルックナーマーラーのシンフォニー群に劣らない存在意義があると思う。
まだシベリウスになじんでいない、という方は、是非この独自の世界にふれていただきたいものだ。
確かにわかりづらい部分もあるのと、まとめて何曲も聴くと辛い面もあるかもしれないが、少しずつ繰り返し親しんでいただければ、遠からず人生の宝と言える存在になるでしょう。