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68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

7月場所14日目~白鵬44連勝ならず

13日目、早々と26回目の優勝を決めたが、手負いの白鵬
継続する連勝記録を来場所につなげるまで、あと2日。

その残り2日の内、一番の関門は、今日の稀勢の里戦と思われた。

先場所の全勝同士の激突を始め、好調同士で当たっても、大相撲になることが多いこのカード。
白鵬が脇腹負傷のハンディを負っており、一方の稀勢の里は、前半戦の不振からすっかり立ち直り、前日の日馬富士戦も、いい相撲で勝っている。

最低でも五分の対戦、むしろ今場所については横綱の方が分が悪いか、という予想。

やはり白鵬、無理だったか、という結果になった。

仕切りの間は、白鵬は前日に比べれば辛くはなさそうだった。これはいけるか、と思った。

立ち会いが、2回合わなかった。1回目は、白鵬が先に立ち、稀勢の里が受けなかった。つっかけた、という感じではなかったので、受けなかった稀勢の里が悪い。

2回目は、互いに充分に仕切れる状況から、白鵬が嫌った。白鵬に何かの迷いがあったか。

3回目、立ち上がって、白鵬が左で張り差しにいったが、正面解説の九重親方の弁では、この立ち会いが最大の失敗。

白鵬は、左張り差しの後、すぐに右からかちあげたが、稀勢の里を揺るがすには至らなかった。

以後は、稀勢の里の攻めを白鵬がしのぎかわす展開。白鵬としては、負傷していながら、よく動けたと思うが、五分以上の相撲にはやはりならなかった。

動きの中で白鵬は右四つに持ち込み、上手もとったが、稀勢の里は自分充分でないのをかまわず、左上手をとって前に出た。

この一番、稀勢の里が終始前へ前へと出ていたのが勝因。これは、昨日の日馬富士戦でもそうだった。
自分充分の左四つに組むとか、相手充分の右四つになってしまったとか、いっさいお構いなしに、とにかく前に出た。
日頃の稀勢の里の相撲にはないことで、これがなかったら、白鵬に先に動かれ、最後は右四つで体勢を作られていただろう。

両者の対戦成績は、これで白鵬の31勝9敗。数字の上では一方的だが、あの64連勝阻止の一番、翌場所の再度連勝ストップの一番、そして今日の一番。
この対戦に関する限りは、稀勢の里が印象に残るいいところで勝っているのは事実である。

これで明日も勝って12勝した場合、北の湖理事長が言明しているように、来場所も横綱昇進の話題は続くことになる。
私個人としては、稀勢の里横綱昇進については、なお前向きな見解を持てないが、場合によっては、今日のこの一番は、稀勢の里の土俵人生の大きな分岐点になるかもしれないとは思う。

ところで、この敗戦で、白鵬は、連勝記録が43でストップした。自己最高の63には20足りず、大鵬の45連勝にも2つ及ばなかった。

終盤に来ての負傷を何とかしのいで、来場所につなげてほしかったと思う相撲ファンは多いだろうが、私はそうは思わない。

今場所の白鵬は、初日からずっと相撲内容が悪かった。危ない相撲をしのいでの白星も数多かったし、そうでない相撲も、がちっとつかまえて寄り切る相撲はなく、投げに頼る取り口が目立った。

全勝での優勝争い独走とか、連勝記録とか、表面的な部分と裏腹な内容だったと思う。

報じられるところでは、この脇腹痛は、琴奨菊戦でではなく、その前日の鶴竜戦で立ち遅れて小手投げでかわした時に発していたものだという。

つまるところ、今場所の白鵬は、あんな相撲をとっていたら怪我をしても仕方がない、という内容だったと私は思う。
この連勝ストップも、結局は自分で蒔いた種、という側面があると思うのだ。

3場所連続優勝だけで御の字だと思う。連勝は止まってむしろよかった。こんな内容の相撲が積み上がった連勝記録に、あまり価値はない。

ところで、今日のNHKの放送で初めて知って、へえと思ったのが、「44連勝の鬼門」。

40連勝以上した力士を紹介していた。こうなっている。

   双葉山    69
   谷風     63 43
   白鵬     63 43
   梅ケ谷    58
   太刀山    56 43
   千代の富士  53
   大鵬     45
   雷電     44 43 43

40連勝以上を複数回記録した力士は、4人。そして、その4人とも自己2位の連勝は、43止まりなのだ。
このデータが紹介された時点では、まだ白鵬は相撲をとっていなかったので、もし白鵬が勝てば、史上初めて1人で44連勝以上を2回記録した力士になる、という話だった。

九重親方が「43というのは、何かあるんですかねえ」と、この時言っていたのだが、結果、白鵬も2回目の44はクリアできなかった。

今日は、他の相撲についてはふれないが、1つだけ。

松鳳山琴欧洲の物言い相撲。内容的には、琴欧洲にまったくいいところはなく、松鳳山の相撲だったが、青房下、琴欧洲の体は飛んでいたものの、松鳳山の右足、次いで左足も返っていた。

協議の説明は、同体ではないかと物言いがつき、協議の結果、琴欧洲が先に出ていたとの判定だった。
しかし、松鳳山の足が返ったことについては、議論があったのかどうか、判然としない。
どうだったのだろうか。
同体ではないかとの物言い、というからには、足の件は話題にならなかったのかもしれない。

以前も書いたが、このところ、勝負判定において、足が返ったかどうかが問題になることはほとんどない。これはどんなものか、と思う。