naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

オケのいたずら~ベルリン・フィル、サイトウ・キネン、浦安オケ

オケが、リハーサル時に、サプライズのいたずらを仕込むことがある。

以前、松本のサイトウ・キネン・フェスティバルのテレビ番組を観ていたら、期間中の9月1日に、誕生日を迎えた小澤(征爾)さんへのサプライズを、オケがしかけた場面があった。

チャイコフスキーの弦楽セレナーデの第1楽章のリハーサルで、曲が始まってすぐ、「ハッピー・バースデー」に移る、というサプライズだった。

何も知らない小澤さんが、指揮台について、曲の冒頭からでなく、途中からやる、と言い出して、オケ側から何とも言えない声が上がり、「何、何?」と言いつつ、小澤さんが折れて、曲頭から振り始め、サプライズ大成功、という映像だった。

浦安オケでも、昨年、同じことをやった。

長年お世話になっている団内指揮者のK氏が、還暦の誕生日を迎えるにあたり、各パートリーダーに、「極秘お知らせ!」というメールがまわった。

「次回のK氏指導の合奏の頭で、「ハッピー・バースデー」を演奏します。楽譜は用意していませんが、Fdurで適当に」、という内容だった。

この練習には、都合で参加できずに、誠に残念な思いをしたのだが、誰かがこの時の映像を録画しており、それは、団のサイトにアップされている。

さて、今日、音楽雑誌「モーストリー・クラシック」を読んでいたら、昨秋のベルリン・フィルの来日公演の時、類似のいたずらがあった、という記事が目に止まった。

公演曲目の一つに、プロコフィエフのヴァイオリンコンチェルトがあったのだが、サントリーホールでのリハーサルの際に、ラトルとオケが、ソリスト樫本大進にいたずらをしかけたとのこと。

オケが、プロコフィエフではなく、メンデルスゾーンのコンチェルトを演奏し始めたのだそうだ。

しかし、樫本大進は、すぐさまメンデルスゾーンのソロで対応、メンバーの喝采を浴びた、とのこと。

   ※この模様は、ツアーブログ上で、映像を観ることができる。
       http://blog.berliner-philharmoniker.de/
       (2ページ目の上から4つ目の記事)

何故喝采を浴びたかと言えば、メンデルスゾーンのコンチェルトは、序奏が短く、2小節目の後半からすぐにソロが出てくるからで、しかけられたいたずらに、短時間で対応したのが見事だった、ということだろう。

確かに、これが、ベートーヴェンブラームスチャイコフスキーのコンチェルトだったら、いずれも序奏部が長いので、いたずらにも何にもならないわけだ。

私は、あまりたくさんのコンチェルトを知らないので、こういうケースで使える曲は、せいぜいシベリウスくらいしか知らない(メンデルスゾーンよりはシベリウスの方が難問だったかも)。

他にどういう曲があるんだろう。