naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

発見!~「僕にいわせれば」

宇野功芳氏の旧著、「モーツァルトブルックナー」(帰徳書房)。

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奥付には、「昭和48年10月20日発行」とある。初版本であろう。

「定価980円」の表示。当時としては高価な本だったことがわかる。

学生時代から何度となく目を通してきた本である。

今も手近なところに置いて、時々めくっているのだが、けさ、面白い記述を発見した。

277ページ、ショルティブルックナーについて論じた箇所である。

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   久しぶりにウィーン・フィルハーモニーの音が聴ける、ブルックナーの「第七」が聴けるという
   ので歓び勇んで東京文化会館に足を運んだのだが、その夢と期待はショルティのために無残に
   踏みにじられてしまった。

ふーん。こんな記述があったんだ。もちろん読んではいたけど。

さて、こちらは、「改訂新版 宇野功芳のクラシック名曲名盤総集版」。

奥付には、「2007年4月24日第一刷発行」とある。

その247ページ、ブルックナーの9番についての記述、冒頭にこうある。

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   僕にいわせれば、たった一言で終わりである。「メータのブルックナーなど聴きに行く方がわる
   い」。知らなかった、とは言ってほしくない。ブルックナーを愛する者は、そのくらいは知らな
   くてはだめだ。

(宇野氏亡き今ではあるが、Twitter上には、宇野氏のパロディアカウントが複数あり、宇野氏ならばこんなことを言いそうだ、というツイートが次々に発せられている。「僕にいわせれば、たった一言で終わりである」、「知らなかったとは、言ってほしくない」、「そのくらいは知らなくてはだめだ」は、そうした中で頻繁に用いられる言い回しである)

宇野先生、後年、「ショルティブルックナーなど聴きに行く方がわるかった」と反省したりしただろうか。

「そのくらいのことを知らなかった」、当時の自分を。