「音楽現代」の8月号をやっと買った。
15日(水)の発売日以降、出張先を含めて、あちこちの書店で探したのだが、どういうわけか見つけられず、22日(水)、1週間経ってから、新宿のブックファーストで買うことができた。
見ての印象は、何だか、昔のレコードばかりだなあ、というものだった。
以下、敬称略で失礼します。
浅岡弘和
2番 小林研一郎=日本フィル
1番 ワルター=コロンビア響
9番 バーンスタイン=コンセルトヘボウ管
4番 メンゲルベルク=コンセルトヘボウ管
F.ディースカウ=フルトヴェングラー=フィルハーモニア管
1番 ワルター(オケ名記述なし)
宇野文夫
9番 レークナー=読売日本響
9番 朝比奈隆=大阪フィル
倉林 靖
クレンペラー=フィルハーモニア管、ニュー・フィルハーモニア管
6番 ドホナーニ=クリーヴランド管
1番 ヤンソンス=コンセルトヘボウ管
小林宗巌
1番 ジュリーニ=シカゴ響
クレンペラー=フィルハーモニア管、ニュー・フィルハーモニア管
1番 ロト=レ・シエクル
中村 靖
6番 バルビローリ=ニュー・フィルハーモニア管
2番 ラトル=バーミンガム市響
5番 ハーディング=スウェーデン放送響
1番 ガッティ=コンセルトヘボウ管
3番 ロト=ケルン・キュルツェニヒ管
野崎正俊
1番 コンドラシン=NDR響
6番 ティルソン・トーマス=サンフランシスコ響
シュヴァルツコップ、F.ディースカウ=セル=ロンドン響
保延裕史
F.ディースカウ=フルトヴェングラー=フィルハーモニア管
4番 インバル=東京都響
9番 ティルソン・トーマス=サンフランシスコ響
宮崎 滋
3番・5番 シェルヘン(オケ名記述なし)
9番 バーンスタイン=コンセルトヘボウ管
(文中ではロンドン響とされているが誤りであろう)
3番 インバル(オケ名記述なし)
茂木一衛
2番 メータ=ウィーン・フィル
3番 ザンダー=フィルハーモニア管
8番 ジンマン=チューリッヒ・トーンハレ管
9番 飯守泰次郎=東京シティ・フィル
60年代、70年代の演奏ばかりだ。「大地の歌」と言えば、もう68年も前の録音であるワルター=ウィーン・フィル盤が複数の選者から挙げられている。いくら「古今東西」と言っても、SP時代、1930年代の録音までが、この2020年のマーラー特集で、僅か5盤の推薦に載ってくるというのは、どんなものだろう、と思わざるを得ない。
さて、では、自分ならどんなチョイスになるだろうか、と思案してみたら、何のことはない、60年代から80年代初頭、自分がマーラーを聴き始めた頃に接した盤ばかりになってしまった。
1番 小澤征爾=ボストン響(グラモフォン盤)
2番 メータ=ウィーン・フィル
3番 バーンスタイン=ニューヨーク・フィル(ソニー盤)
これに次ぐとすれば、バルビローリの6番、クレンペラーの7番あたりか。
9番がないのは、曲への個人的なシンパシーの違い(上記の曲に比べて)による。
ところで、ここのところ、「音楽現代」では、創刊50周年、通巻600号に向けての企画として、過去の記事を再掲している。
吉田秀和氏と服部進氏、加納千砂子氏による「対話による音楽入門」は、学生時代に上下巻にわたる単行本の形でも買って読んでいたものであり、大変懐かしい。本号では、特集に連動して、マーラーに関する対話が掲載されている。
また、1973年7月号に掲載されたという、別宮貞雄氏、秋山和慶氏、宇野功芳氏による鼎談、「ブルックナー、マーラーを語る」も、マーラー特集への連動だろうが、これは初めて読んだ。この時代のブルックナーやマーラーの受容の状況を見ることができて、今の感覚からは大変興味深い。宇野氏の、バリバリのブルックナー布教者ぶりが懐かしい。