先日、世に言う3大ヴァイオリン・コンチェルトとは別に、自分にとっての3大ヴァイオリン・コンチェルトは何か、ということを書いた。
ところで、ピアノ・コンチェルト。
世間では別に「3大ピアノ・コンチェルト」とは言わないが、自分が好きな3曲というと何だろう、と考えてみた。
割合すんなりと挙がった。
クラシック聴き始めの高校の頃、特に気に入った曲の一つだ。これは絶対外せない。
伯母に買ってもらった、シフラ=ヴァンデルノート=フィルハーモニアのレコードを、何度も何度も本当に没頭して聴いたし、スコアを見ながら、弾けるところだけだが自分でも弾いたりした。
(このレコードを入手する前に、この曲は既に実演で聴いている。中学3年生の時、木更津市民会館での、中村紘子=森正=N響の演奏会だった。これは、千葉県におけるN響の初めての演奏会だった(木更津音楽協会の招聘)。木更津市に先を越されたと、千葉市が悔しがった、と聞く。ただ、まだクラシックになじんでいない中3の私は、この中村紘子の実演をほとんどおぼえていない)
何番か、というと、どうだろう。やっぱり27番になるだろうか。しかし、この27番は、私の感覚では、あまりにも純粋すぎて、あまりにも純白すぎて、実はおいそれと聴けない音楽だ。
27番は神棚に祀るとして、選ぶなら24番かな。あるいは23番か。
たぶん決められないが、今、この時の選択としては、23番にしておく。
個人的、勝手なイメージだが、この曲の2楽章は、真夏を連想させる。今日のような、暑い暑い午後、ちょっと風が流れる木陰から、少し先にある白い地面にじりじりと日が照りつけるのを見ている感じがするのだ。