naokichiオムニバス

67歳会社員。ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

千葉県少年少女オーケストラ東京公演

3月24日(日)、千葉県少年少女オーケストラの演奏会に出かけた。

このオケの音楽監督である佐治薫子先生と、昨年12月、浦安市民演奏会の本番の時にお目にかかり、その際、この演奏会のご案内をいただき、招待券を頂戴していたものだ。

   佐治薫子先生に初めてお目にかかる
      https://blogs.yahoo.co.jp/naokichivla/66212594.html

●千葉県少年少女オーケストラ東京公演

日 時 2019年3月24日(日) 13:30開場 14:00開演
会 場 サントリーホール
音楽監督 佐治薫子
指 揮 井上道義
ピアノ 小曽根真
管弦楽 千葉県少年少女オーケストラ
曲 目 ショスタコーヴィチ 交響曲第1番ヘ短調
     モーツァルト ピアノ協奏曲第9番変ホ長調「ジュノーム」
     [アンコール] 小曽根真 Bienvenidos Al Mundo
     伊福部昭 管絃楽のための「日本組曲」から「盆踊」「七夕」「佞武多」
     [アンコール] マルキーナ エスパーニャ・カーニ
              伊福部昭 シンフォニア・タプカーラより

プログラム冊子から。

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1ベルが鳴ると同時に楽員が早々と入場し、チューニング。これがこのオケの流儀なのかと思ったが、この日は、秋篠宮眞子、佳子両内親王がご来聴のため、チューニングを終えてお迎えするということだったようだ。

内親王が座られたのは、我々の席のちょうど向かい側だった。

我々の席は、LB2列7・8番。おそらく両内親王は、RB2列7・8番だったと思う。

   ※両内親王のご来臨はテレビ各局のニュースや新聞でも報道された
       https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000150594.html?fbclid=IwAR17XOLRZmhnzupVVLj5GIN2lTg5bEUlaLKaFkgLDiWOrcxgcSUwS4mDEyk

1曲目のショスタコーヴィチの弦編成は、見切れがあるので正確かどうかわからないが、16・14・10・8・6か。

ヴィオラは外配置。

演奏が始まってすぐ、個々の楽員の技量が高いのが、すぐわかった。だから当然だが、音程が見事に揃っている。

これだけでも充分すごいが、それにはとどまらない。合奏体としての能力が高いことに驚く。見ていて、聴いていて、個々のメンバーが、自分のパートのことだけしか頭にない、というのでないのがわかる。

話には聞いていた、少年少女オケの力量のほどを実感させられた。自分の所属オケよりは上だと思った。

ところで、この子供たちの頭の中で、ショスタコーヴィチの音楽は、どのように響き、どのように浸透しているのだろう。同じ世代だった頃の自分には、まったく無縁だった音楽なので、想像もつかない。

モーツァルトまでの舞台転換の間、井上さんのMC。

このオケは、20歳定年なのだそうだ。

そんなオケがこの日演奏する、ショスタコーヴィチは19歳の時、モーツァルトは21歳の時の作品である、と。

モーツァルトは、ヴィオラが下手側に来る対向配置。10・8・6・4・2.

井上さんが袖から出てきて、「ピアニストがいない!」。

「小曽根~!」と叫ぶと、客席から、「はいっ!」と言って、小曽根さんが舞台に駆け上がった。

ピアノの前に座った小曽根さんの背中を見ながら、そう言えば前にもこんな角度で彼を見たなと思い出した。昨年3月、東京フィルの定期演奏会で、グルダの「コンチェルト・フォー・マイセルフ」を聴いた時だ。あの時の席が、LB5列の5番だったので、方角としてはほぼ同じ。

ピアノはスタインウェイ

2楽章のカデンツァを始めとして、モーツァルトからまったく離れたスタイルで演奏する場面が多かった。

この曲でも、オケは見事だった。子供がここまでモーツァルトをきれいにこなせるのか、鳴らせるのか、と思った。

佐治先生が、上総松丘に赴任してリード合奏から始め、積み重ね、築き上げてきたものを、話としてでなく、実際の音として、初めて実感した。

ソリストアンコールが1曲。

このオケの楽員は、ソリストを称える時に、楽器を叩いて音を出すことをしない。もっぱら腿を叩いている。佐治先生の指導だろうか。

休憩後は、伊福部作品。

初めて聴く曲だ。

前半の2曲にはなかった指揮台が置かれ、井上さんはその上に立った。

弦は、ショスタコーヴィチと同じ配置に戻った。16・14・11・9・7か。

演奏の前に、井上さんのMC。これから演奏する曲は、アイヌのお祭りの音楽だが、単なる模倣ではなく、釧路に生まれ育った伊福部の、子供の頃の日常、周囲にあってしみついたものだ、とのこと。

もともとピアノ曲だったものの管弦楽版だが、初演は井上さんが指揮している。その時には、作曲者から「もっと泥臭く」と言われた。今回の演奏会に向けて、この子たちに「都会的すぎる」と注意しているが、そんな彼らの中にもある「日本魂」を聴いてほしい、との話で、演奏に移った。

誠に見事な演奏だった。この若い人たちが、この音楽をよくぞここまで演奏できるものだ、と思った。

大学に入ってからヴィオラを始め、ちゃんとしたレッスンもろくに受けないまま、こうして市民オケで弾いている自分とは、出発点もその後の経過も違うんだろうな、と思った。

おそらく、親も相当な熱意を注ぎ、言ってしまえば金も注ぎ込んでいるのだろう。そして、それに応える子供たち。応える、というのは正しくないかもしれない。彼ら自身が、こういう活動をやりたいのだろう。

今、このサントリーホールのステージに乗っているのは、並大抵のことではないはずだ。相当な競争も挫折も経て、ここにいるのだろう。

ふと、甲子園の高校野球でベンチ入りしている選手たちを想起した。野球の有力校であれば、ベンチ入りできるのは一握りの部員だけ、後の部員はスタンドで応援団と一緒に声援を送っている、あの世界と同じかもしれない。

佐治先生の門下生や、このオケの卒業生を何人か知っている。浦安オケあるいは他の団体で、一緒に演奏することがある。あの人たちって、小さいときからこういうところをくぐってきているんだ、と改めて思った。これも、これまでは話としては聞いていたが、実際の音を聴いて、段違いのリアリティを感じた。

いや、すごかった。

カーテンコールには、佐治先生も登場した。

その後、アンコールは2曲。

舞台上に座っている楽員に加えて、両袖から、たくさんの子どもたちが、楽器を持って入ってきた。

立奏の形で演奏に加わったメンバーは、曲の合間に、客席にも下りて行って演奏した。

エスパーニャ・カーニ」では、再度下手から登場した佐治先生が牛の役で、井上さんを闘牛士に見立てて突っ込んでいくという芝居も。

お祭りのような圧倒的な盛り上がりの中、16:12、終演した。

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佐治先生にご挨拶できればと楽屋口まで行ったが、事前連絡がない人は入れられないとホールの係員に言われて断念して帰った。

ともかく、次の演奏会も是非聴きに行ってみたい。

※過去の関連記事
    日本経済新聞文化欄に佐治薫子先生の投稿記事
       https://blogs.yahoo.co.jp/naokichivla/66238712.html