naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

千葉県少年少女オーケストラとアキラさんの大発見コンサート2019

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今日18日(日)、千葉県文化会館で行われた、千葉県少年少女オーケストラの演奏会を聴きに行った。

音楽監督の佐治薫子先生から、招待状をいただいた。このオケの演奏会を聴くのは、3月のサントリーホール以来、2回目である。

   千葉県少年少女オーケストラ東京公演
      https://blogs.yahoo.co.jp/naokichivla/66289121.html

県文化会館は久しぶりだ。いつ以来だろう。

我々の席は、1階17列42・43番。

プログラム冊子から。

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チューニングが終わると、打楽器が演奏を始め、「大発見マーチ」がスタート。演奏の途中で、舞台袖から宮川氏が登場し、指揮台に上がって指揮。短い曲だった。

以後、曲間に宮川氏のMCをはさみながら進行した。

「フニクリ・フニクラ」では、オケ後列の金管、打楽器のメンバーが、鉄道員の帽子をかぶって演奏。立奏でソロをとったトロンボーンの男子が見事な演奏だった。演奏後のインタビューでは、今、高校3年で音大を目指しているとのこと。

続く「ラバーズ・コンチェルト」は、宮川氏がピアノ・ソロ。これにトランペットのオブリガードがついたが、バロック・トランペット風の立奏ソロは、これもとても立派だった。この女子は栄養士を目指しているそうだ。

宮川氏のオリジナル曲をじっくり聴くのは、今回が初めてだ。宮川氏のピアノを交えた「風のオリヴァストロ」は、大変美しい音楽。どこか、NHKの朝ドラのテーマ曲っぽい。

次は、ラフマニノフ。2番のシンフォニーの3楽章のアレンジで、これも宮川氏のピアノが入る。原曲ほどの多様な展開はなかった。ちょっと物足りなかったが、原曲のあの濃厚な甘美さには、どんなアレンジも勝てないかな。

来年3月、少年少女オケの定期演奏会のメインは、そのラフ2だそうだ。是非聴いてみたい。楽しみだ。

前半最後の「開眼序曲」は、このオケとして再演になるらしい。2001年の作曲で、ミレニアムの新時代の空気の中で作られたとのこと。今回の演出は、宮川氏の娘さんである、安利さんの踊り付き。これも宮川氏のピアノがつく。

初めて聴く曲だが、非常に聴き応えのある音楽だと思った。こちらは、どことなく、NHKの大河ドラマのテーマ曲風。基本的に叙情的な音楽だが、途中、バーンスタインの作品を思わせる、活発なリズムの場面もあった。

ここで休憩。

休憩後は、グランドピアノがはけて、宮川氏は鍵盤ハーモニカを演奏しながらの指揮となった。

前半に比べると、オケの人数が増えた。前半が100人程度、後半は130人程度とのこと。さらに、最後のディズニーナンバーでは、20人程度が加わった。

トランペットやフルートは10人を超える人数に見えた。吹奏楽団のようだ。

ファーストヴァイオリンは、客席寄りの最前列だけで8プルト。奥にはもっといるはずだ。

宮川氏のMCで言われて気づいたが、オケは全員が暗譜だ。譜面台がまったく置かれていない。言われてみれば、そうでなければ、これだけの人数は舞台に乗れない。

「運がよけりゃ」では、曲の終結部で、オケ全員が立って演奏した。チェロも。

「仔象の行進」では、イントロなどで重要な役割を務める楽器として、コカ・コーラのボトルが使われた。宮川氏によると、色々試したが、コカ・コーラでないと望む音が出なかったそうだ。

打楽器奏者が2人、指揮者の脇に出てきた。小さなテーブルに、コーラのボトルが10本くらい置かれた。ボトルの飲み口を吹くと音が出るのだが、中のコーラの量でピッチを作っている。曲の進行に合わせて、2人がボトルを持ち替える形で演奏した。メインメロディを担当するピッコロ4人は、舞台を練り歩きながら演奏。これらの奏者6人と宮川氏が象の形をした帽子をかぶっての演奏で、大いに受けた。

次のボロディンの後、先ほど踊った安利さんが再登場し、父からインタビューを受ける形で、ニューヨークで演劇の留学をされていた時に経験した、アメリカという国の雰囲気について話された。

そして演奏されたのが、「ウエスト・サイド」の「アメリカ」。宮川氏のアナリーゼだと、この曲のメインメロディが、そのたびに転調するのは、アメリカという国の人種的多様性を表現しているとのこと。また、「America」の歌詞で歌われる、3拍子の下降音階は、アメリカ国歌「星条旗よ永遠なれ」の冒頭の音の動きと同じだとの分析。言われてみればそうか、と思った。バーンスタインという人は、こういう仕掛けをするのが好きなんです、とのお話。宮川氏のアレンジによる「アメリカ」では、そのアメリカ国歌も登場した。

その後、今回をもって卒団する団員への、宮川氏のインタビューがあった。音楽の道に進みたいという子はおらず、教員、トリマーなど、それぞれの志望が話された。

最後に、ディズニーナンバーのメドレー。「歩くシーンの音楽」を集めた、とのことだった。「ミッキーマウス・マーチ」や「ビビディ・バビディ・ブー」、「小さな世界」などで構成されるメドレー。オケメンバーは、演奏だけでないパフォーマンスもしながらの熱演だった。

カーテンコールでは、佐治薫子先生も登場し、宮川氏と話された。

アンコールに、宮川氏の作品である「幸せのリズム」が演奏された。安利さんがマイクでヴォーカルをとり、オケメンバーの一部が立って、コーラスで一緒に歌った。

めっぽう楽しい演奏会だった。これだけの曲が並べば楽しいのは当たり前とも言えるが、それも、このオーケストラの技量あってのことだ。よくぞ、これだけ見事に演奏できるものだ。前記の通り、後半は全員が暗譜というのもすごい。演奏以外のパフォーマンスもあったし。

3月は、ショスタコーヴィチモーツァルト伊福部昭というプログラムだった。今回は、それとは対照的な曲目だったが、その両方を見事にこなすこのオーケストラには、本当にうならされる。

個々のメンバーの技量も、合奏体としてのオケの技量も、ちょっと類のないものだ。

日頃、どういう練習をしているのか、とても興味がある。相当厳しいものなのだろう。

来年の3月は、先日、チャイコフスキー国際コンクールで2位に輝いた藤田真央さんをソリストに招いてのプロコフィエフの3番のコンチェルト、そして、ラフマニノフの2番のシンフォニー他を演奏するそうだ。このオケのラフ2、是非聴いてみたいと思う。

終演後、楽屋に佐治先生をお訪ねして、ご挨拶した。