naokichiオムニバス

65歳会社員。ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

クァルテット・エクセルシオ ベートーヴェン弦楽四重奏全曲チクルス第2回

16日(水)、J:COM浦安音楽ホールにクァルテット・エクセルシオの演奏会を聴きに行った。

 

ベートーヴェン全曲チクルスの2回目である。

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ベートーヴェン生誕250年記念 弦楽四重奏全曲チクルス 第2回

日 時 2020年12月16日(水) 18:30開場 19:00開演
会 場 J:COM浦安音楽ホール コンサートホール
演 奏 クァルテット・エクセルシオ
曲 目 ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第10番変ホ長調「ハープ」
    ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第8番ホ短調「ラズモフスキー第2番」
    ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第16番ヘ長調
    [アンコール] ベートーヴェン Ich liebe dich

 

全5回のセット券を購入しているので、前回同様、1階F列12番。少々空席が目についた。

 

今週はB社(三軒茶屋)用務で東北方面への出張が入った、残念だが行けないものと覚悟し、オケ仲間で希望者がいれば譲ろうかと思っていたのだが、その前に幸か不幸か新型コロナウイルスの関係で出張自粛の指示が出たため、行けることになった。早まって譲ってしまわなくてよかった。

 

最初は「ハープ」。好きな曲だ。

 

クァルテット・エクセルシオは、和音がとても美しい。伸ばしの和音も短く切る和音も本当にきれいだ。

 

充実した名曲。非の打ちどころがない音楽だと思う。

 

基本的にシリアスな音楽だが、1楽章ではところどころに愉悦的な顔がのぞく。そういう面を伝えてくれる演奏だったと思う。

 

3楽章と4楽章の間は切れ目がないとプログラム冊子には書かれていたが、ファーストヴァイオリンだけ譜めくりがあった。聴く側としてはちょっと緊張がとぎれた。

 

それはともかく、この終楽章、変奏曲であることが嬉しい。とても聴き甲斐がある。

 

この曲、「セリオーソ」と並んで、一度弾いてみたい曲だが、こうして実演を聴くと、ものすごく難しそうだ。無理かな。

 

2曲目は「ラズモフスキー2番」。

 

ベートーヴェンのカルテットの中で「ラズモフスキー」の3曲は聴く頻度が他の曲より低い。しかし、実演でじっくり聴いてみると、やはり力作と言う他はない。

 

2楽章はしみじみと美しかった。

 

3楽章、4楽章は力演。チェロの安定感が特に印象に残った。

 

それから、2楽章あたりでは、セカンドヴァイオリンの役割の大きさをつくづく感じさせられた。ヴィオラともども、こういう音楽になると、これをもはや内声と言うのは不適切ではないかと思う。

 

20分間の休憩。

 

ホワイエのモニターに映る場内。

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改めて場内を見てみると、年配の男性が目につく。明らかにジジイが多いな。弦楽四重奏ってそういう客層なのか?

 

最後は16番。

 

この作品、何と言うんだろう、15番、13番、14番と、弦楽四重奏のジャンルであれこれとやりつくしてきた挙句でないとできない、さらにやりたいことをやった、という感じがする。

 

諧謔性が目立つように思う。ふと、8番のシンフォニーを想起した。偶然だろうか、同じFdurだ。7番まで書いた後、ちょっとコンパクトになった感じも似ている。

 

一方、3楽章は、そんな軽い基調の中にあって実に深い音楽だ。全曲の構成としてはちょっとアンバランスなくらいだと感じる。13番のカヴァティーナが思い浮かぶ。

 

この3楽章では、「息が合ったアンサンブル」とはこういうものをさすんだろう、と圧倒される場面が多かった。

 

それから、2楽章のとがったリズムは、ついさっきの8番の3楽章と共通するものがあって面白い。

 

4楽章に頻出する4度下降の音型を聴いていて、「第九」の1楽章を思い出した。もしかしてこれ、ベートーヴェンが意識的に転用したんだろうか。

 

ひょっとすると、ベートーヴェンは、この後、さらにまったく違うタイプの17番の四重奏曲を書こうとしていたんじゃないだろうか。そんなことを思いながら聴いた。

 

お腹いっぱいの3曲が終わってのカーテンコール。ファーストヴァイオリンの西野ゆかさんがMC。

 

遅い時間ではあるが、今日はベートーヴェンの誕生日なのでもう1曲演奏したい、と紹介された曲名は「Ich liebe dich」。歌曲「君を愛す」の編曲版ということだった。翌日のエクセルシオFacebookによるとチェロの大友肇さんの編曲のようだ。

 

それまでの3曲に比べると何と優しい顔のベートーヴェンだろう。

 

そう思いながら聴いていたら、途中からちょっと脱線し始めた。スプリング・ソナタや「田園」、ヴァイオリン・コンチェルト、「月光」、「第九」などが、次々に演奏され、客席からも笑い声が漏れる。

 

その内、下手舞台袖から、ケーキにベートーヴェン肖像画を載せたようなものが登場。「250」という大きな金色の数字で飾られている。

 ↓ これ (この写真はエクセルシオさんのFacebookから拝借しました)

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音楽は「ハッピー・バースデー」に変わり、閉じられた。

 

生まれて250年、亡くなって193年。死んで200年近く経っても、こうして遠く離れた日本で、彼の音楽は聴く者に何かを与え、喝采を浴びている。

 

何と偉大なことだろう。

 

改めてそんなことを思った。

 

前回同様、映像収録のカメラが入っており、DVD、ブルーレイで販売されるとのことだったので、今回も申し込んだ。

 

次回は1月。7番、大フーガ、13番。重量級の曲目だ。ますます楽しみ。

 

新浦安駅のホームから見上げる音楽ホール。

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※クァルテット・エクセルシオ オフィシャルサイト
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