naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

小澤(征爾)さん逝去<6>

好きな小澤さんの録音

 

小澤さんのレコード(LP、CD)は相当数持っている。同一アーティストの録音を買い集めた率で言うと、クラシックではポリーニあたりと並んで一番だと思う。
(クラシック以外だと、小田(和正)さんなどは当然100%)

 

好きでよく聴いてきたものを挙げてみる。

 

   チャイコフスキー 交響曲第4番 パリ管

   シベリウス ヴァイオリン協奏曲
   ブルッフ ヴァイオリン協奏曲第1番 潮田益子 日本フィル

  ○ベルリオーズ 幻想交響曲 ボストン響

  ○ベートーヴェン 第九 ニュー・フィルハーモニア管

   チャイコフスキー 悲愴 パリ管

   チャイコフスキー くるみわり人形 眠りの森の美女 パリ管

   ラヴェル 管弦楽曲集 ボストン響

   ドヴォルザーク 新世界 サンフランシスコ響

  ○ブラームス 交響曲第1番 ボストン響

   リムスキー=コルサコフ シェエラザード ボストン響

  ○マーラー 交響曲第1番 ボストン響(グラモフォン盤)

   ベートーヴェン 皇帝 R.ゼルキン ボストン響

   フォーレ 管弦楽曲集 ボストン響

   ビゼー カルメン(全曲) フランス国立管

   ブラームス 交響曲全集 サイトウ・キネン・オーケストラ

   チャイコフスキー 弦楽セレナーデ サイトウ・キネン・オーケストラ

   モーツァルト 6大交響曲集 水戸室内管

   ベートーヴェン 交響曲第7番 サイトウ・キネン・オーケストラ(2016年録音)

 

特に、というと○印。すべて1970年代の演奏だ。さらに絞れば「第九」とマーラー1番になる。

 

ベートーヴェンのシンフォニーは、ボストン響と全集を録音してほしかった。R.ゼルキンとのピアノ協奏曲、あるいは、P.ゼルキンとのヴァイオリン協奏曲のピアノ版(これはニュー・フィルハーモニア管だが)を聴くと、小澤さんのベートーヴェンには木のような独特の香りがあり、シンフォニーも録音してほしかったが、5番だけしか残っていない。
私が好ましく思う独特の香りは、その後のサイトウ・キネンとの全集では感じることができなかった。
ベートーヴェンについては、むしろさらにその後の水戸室内管との録音の方が好きだ。全曲録音が完結しなかったのが残念だった。3番と6番が残ったし、「第九」もセッションとライブの混淆という半端な形になってしまった(この「第九」はしかしなかなか良い)。

 

ブラームスについても、ボストン響と全集がほしかったのは同様だが、こちらはPHILIPS時代のサイトウ・キネンとの全集で満足できる。

   
小澤さんの評伝

 

小澤さんに関する本は、これも相当数買い求めて持っている。

その中で、評伝としての本でお勧めなのは、以下の3点。

 

音楽の旅人 ある日本人指揮者の軌跡 (山田治生著 アルファベータ 2006年刊)

   18年前の刊行なので、カバーする範囲はそこまでだが、これまで折にふれ読

   み返してきた。

 

小澤征爾覇者の法則 (中野 雄著 文春新書 2014年刊)

   中野雄氏の緻密で丁寧、説得力のある文章で小澤さんの歩みが読める。   

 

山本直純小澤征爾 (柴田克彦著 朝日新書 2017年刊)

   山本直純氏との歩みを書いており、小澤さん単独の評伝ではないのと、直純

   さん逝去時点までの記述ではあるが、大変面白い。さだ(まさし)さんが直純

   さんを知る者としてかなりの証言をしているのが、私には嬉しいところだ。

 

河出書房新社が、ある人物をテーマに定めて出している「KAWADE夢ムック 文藝別冊」というシリーズがある。
音楽関係だと、バッハ、モーツァルトベートーヴェンなど作曲家の他、フルトヴェングラートスカニーニ、グールドなどの演奏家も出ている。
私は、カラヤンバーンスタインクライバー吉田秀和などの刊を手元に置いて日頃読んでいるが、このシリーズに小澤さんが加われば良いのに、と以前からずっと思っていた。
この機に、刊行を切に望みたい。できればディスコグラフィ付きで。